「刑事さーん、まだ耐えるの? さっさと楽になっちゃいなよ」
「く…っ、そ……、ッ」
ベッド上で手足をぎちぎちに拘束され、アナルにバイブを突っ込まれた状態で明智は呻いた。
その様子をベッド脇の椅子にまたがって座る男が楽しそうに眺めている。
「残念だったねぇ。あと少しで俺を逮捕できたのに」
男が嘲笑う。警視庁捜査一課の明智が追っていた連続殺人犯の男で間違いなかった。
ついに潜伏先のホテルを突き止めたところで、一瞬の気の緩みが命取りとなった。背後から男の襲撃を受けた明智が意識を取り戻した時には、すでに身体を括り付けられていた。
「刑事が忍耐強いのってホントなんだ。ここまで理性保てるやつ、初めて見たよ」
目が覚めた時、自分の肛門を貫いている異物に明智は絶句した。
加えて何らかの薬を盛られていることも瞬時に察知した。全身が内側から燃えるように熱く火照り、手足が痺れて上手く力が入らない。頭の中もふわふわして、必死にしがみついていないと意識ごと持っていかれそうだ。
「貴様…ッ、俺を…どうするつもりだ…っ」
「さぁ、どうしようかねぇ? 今頃警察は刑事さんを必死で捜し回ってるし、迂闊に外には出られないなぁ。しばらく暇潰しさせてよ」
「っだったら…、さっさと殺せ…! こんなこと、する必要ないだろう……っ」
「あはは。死にたいの? 刑事さん」
少年のような無邪気な笑いが余計に明智を苛立たせる。
「そんなに死に急がなくても、俺、けっこう気に入ってるんだよ? 刑事さんのこと。ここまで追い詰められたのはあなたが初めてだからね。日本の警察にも優秀な奴がいるじゃんって、興奮しちゃったよ」
まるでゲームを楽しむような口ぶりで言う。
「まぁ、けど爪が甘かったねぇ。あなたが優秀なのは認めるけど、俺を超えることは出来ない」
「…っ、う゛……く…、ぁ…ッ」
「あ、やっと気持ちよくなってきたぁ? 刑事さんのイク顔見せてよ」
男の声が頭の中でハウリングする。身体は宙に浮いているような感覚で、研ぎ澄まされた肛門への刺激が熱く腸壁を収縮させる。
「はっ…、う゛…、はァッ…!」
「刑事さん、こっちでイッたことないの? すんなり入ったからさぁ、てっきり経験済みなのかと思ったよ」
「な、わけ…っう゛、くぅ…っ」
「じゃあ、ちょっとイキやすくしてあげようか」
男が立ち上がり、近づく。半分飛び出たバイブを握るとスイッチを入れた。
「あ゛っ、…う…ぁ…ッ、は…あがっ……は…!」
振動が直腸を刺激し、低く唸る音が響く。男はそれをズブズブと出し挿れさせ、明智の腸壁を深く抉り犯した。
「ぁ…ッ、ぁ…、あ゛、ぐ…うッは……ぁぁっ」
「刑事さーん、気持ちよさそうだねぇ? さっきから我慢汁ダラダラ垂れてるよ」
「さ、わ…っる、な……っ、ぐ…はっ…ぁあッ」
明智の意に反して、ペニスが完全に膨れ上がっている。硬くはち切れそうなほど勃起したそれを男が指先でつついて弄ぶ。
薬のせいなのか、本能なのか、すぐにでも精を吐き出したい欲に駆られる。明智は唇を咬んで必死で耐えた。
「う゛、は…あっ、あ゛ぁっ…ン、は…ッ! うぐッう…ぅ…ぁっ」
「あとどれくらい耐えられるかな? 刑事さん。もうヒクヒクしちゃってるけど」
唇から滲んだ血を男が舌でぺろりと舐め取り、恍惚とした表情を浮かべる。
「や…、めろ…っ、こん…な…はぁッ、あ゛…はっ…!」
「やめられないね、こんな愉しいこと。あなたの顔を見てると、目の前で人が死んでいくあの瞬間と同じくらいゾクゾクする」
「貴…、様ッ……! うっ、う゛うぅっ、は…あああっ……く…っあ」
男の手の動きが激しさを増し、ぐちゃぐちゃに中を掻き回される。汗が噴き出し意識が朦朧とする中、明智は僅かに残る理性で必死に抵抗を続けた。
しかしそれも、もはや限界に達していた。
「あ゛…ッ、あ゛っ…あ、ぐ…ぁぁっ、嫌…だ…、くそ…っ、イ、ヤだ…はあぁぁッ、あ゛アッ―――!」
絶頂を拒絶しながら、男の手によって明智の意識は飛ばされた。
剥き出しのペニスからどくどく溢れ出る白濁の精液を男が指で掬い取り、ねっとりと音を立てながら舐め回す。
「あはは、最高だよ刑事さーん。あなたの無様な姿を拝んでから殺そうと思ってたけど、気が変わった。あなたを俺のものにしたい」
気を失っている明智の耳に舌を這わせ、男は妖艶に囁く。
「あなたのすべてを手に入れてから殺すことにするよ。それまでじっくり愉しませてもらおうか―――ねぇ? 刑事さん」
終