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「じゃ、由多ゆたをイかせたほうが勝ちな」
「いやいやどうせならアナルでイかせたほうが勝ちでしょ」
「でもこいつアナル処女だろ?」
「だからだよ。それでこそ真の勝者にふさわしい」

「望むところだ」と、いい歳した大の男二人が目の前で火花を散らしている。
生まれた時から近所の幼馴染で小中高と一緒に育ってきた俺と雄吾ゆうごのぞむ。筋肉馬鹿な雄吾とインテリ気取りな希の口喧嘩がヒートアップして論破合戦に発展することはまぁよくあることだが、そこに酒が入るともはや何でもアホな方向へ話が逸脱する。ついさっきまで今年のMVPはオ〇タニかゲレ〇ロかで揉めてたかと思えば俺がトイレに行っている間にどうしてこうなった。

「お前らちょっと落ち着けって! 聞いてるほうが恥ずかしくなるからやめろよ……だいたいなんだよアナル処女って。俺を何だと思ってるんだよ!?」
「え? まさか処女じゃないの?」
「嘘だろ? 開発済みなのか?」

急に二人が息を合わせたように俺の顔を見つめてくる。

「いやいやいやだから開発済みとか言うのやめろよ!? お前らいい加減飲みすぎだぞ!?」
「由多、ちゃんと答えて。大事なことだから」
「開発されたのか? どうなんだ?」

答えるまで逃がさないぞと雄吾の目が脅してくる。何が悲しくてこいつらに俺のケツ事情を聞かれなきゃならないんだ。こんなことなら宅飲みなんて誘わなきゃよかった。まぁでもどうせ明日には忘れてる。覚えてろ、酔っ払いどもめ。

「〜〜っ、ねぇよ! あるわけねぇだろ!? なんてこと言わせんだお前ら……酔い覚めたら一発殴らせろっ」
「本当に? 誰にも触られたことないんだね?」

念を押すように食い気味に希が顔を近づけてくる。

「だっ…、だからないっつってんだろ! 俺男だぞ!? お前らはあるって言うのかよっ」
「ん〜? ないけど」
「ないな」

さも当然という顔で即答する。聞いた俺が馬鹿だった。もうイヤだ……酒が入るとどうしてこうもアホなんだよこいつらは。

「まぁ由多、とりあえず脱いでごらん? 話はそれからだよ」
「とりあえずってなんだよ!? うぁっ…希、何して……っ」

希がTシャツを捲り上げ脱がそうとしてくる。抵抗しかけた腕をがっちり雄吾に掴んで阻まれ、シャツがするっと頭から抜けていく。

「おい雄吾離せ、この馬鹿力がっ……!」
「男同士でそんなに恥ずかしがることないだろ?」
「いや男だからおかしいんだろ!?」

酔っ払いにはまともな理屈が通用しないらしい。押さえ付けられている間にも強引にズボンを引きずり下ろされてしまう。
ボクサーパンツ一枚の格好にされた俺を二人が凝視している。初めてエロ本を見た少年のような目で見つめられて、まるで俺のほうがいけないことをしてるような気さえしてくる。

「おっおい、見んな! 服っ、返せ……!」

放り投げられたTシャツに手を伸ばそうとした時、無防備な俺の胸に希が顔をすり寄せてきた。そのまま乳首を摘まみ指先で擦り合わせるように捏ねくり回す。

「う……ぁっ……さわ、んな……っ」
「由多の乳首ピンク色でか〜わいい」
「あっ…んぁっ、や、め……んはぁっ」

希が乳首をカリカリと爪で引っ掻く。膨らんできたそれを転がすように弾かれてびくんと身体が震えた。

「ん…はぁっあっやら……ん、ぁっ」
「由多、乳首弱いね? 硬くなってきてるよ」
「はっ…あうっ……ぁっあっあん」
「はぁ……なにこれ可愛すぎて無理。触るだけじゃ我慢できない。ね〜由多、舐めてもいいでしょ? もっと気持ち良くなれるよ」
「やっ……、舐め……っんあぁぁ!」

返事を待たずに希が乳首に吸い付く。口の中でチロチロと舌を動かして転がし、小刻みに振動を与えてくる。

「んぁっあっあん……! やらっ…ぁっ、あうっちく、び……いあっぁあんっ」
「ほら……ビンビンに勃ってきた。いっぱい舐めてあげる」
「んひぃっあっ…うぁっ、んんっはぁっあっ、ぁうっ」

唇で乳首を挟みぐりぐりと押し潰しながら引っ張られ、腰のほうまで痺れるような快感が走る。抵抗することも忘れて惚けていたその時、後ろから強い力で抱きしめられた。

「おい。二人で楽しんでんじゃねえぞ」
「ぁ……、雄吾……っ」
「勝負はアナルだったろ? 気持ち良くしてやるから触らせろ」

女だったらきっとイチコロの低くやたら甘い声で囁かれ、背中がゾクゾクする。鍛え抜かれた腕に簡単に身体を持ち上げられ、背を向ける形で雄吾の太腿の上に乗せられる。俺が小さいのか雄吾がでかすぎるのか、これじゃ完全に抱っこされてる子供みたいだ。

「雄吾、ずるいよそれ」
「てめえこそ乳首独り占めしやがって」
「急にアナルで感じるわけないじゃん。まずはこう順序ってものが……」
「つべこべうるせえな! こっちは俺に任せとけ」

雄吾がおもむろにパンツの中へ手を突っ込み、穴の周りをほぐすようにグニグニと指先で押し揉む。

「ぁっ……ゆう、…ご…っ、そこ……うぁッ」
「由多、お前も男ならローションくらい持ってんだろ? どこだ? 答えないと舐めるぞ」
「ひッ……い、いやだっ……そこの、引き出しに…ある、から……っ」

素直に答えると雄吾が片手を伸ばして取り出す。半分以上なくなりかけの容器を見て雄吾がふう、と息を吐く。

「一人で使ってたのか? これ。それとも女か?」
「え? まさか由多、俺たちの知らないところで……」
「ひ、一人でだよ……っ、悪いか……!」

ほんと何でこんなこと言わされてんだよ俺。二人に挟まれて身体弄り回されて、もう情けなってくる。

「こんなもん、これからは勝手に使うなよ」
「はぁ!? 何でそうなる……っひいぃッ!?」

突然のひんやりとした感触に思わず甲高い声が出てしまう。雄吾が大量のローションをパンツの中に注ぎ込んでいた。肌になじませるようにケツを撫で回す。

「はぁー柔らけ……女みてえな身体してるなお前は」
「ひっ…やめ、……ぁうッ、ひぁぁっ!」

穴の周りを撫でられるとぞわぞわ身の毛がよだつ。

「んぁっ…や、めろ……って……はぅっ」
「緊張してるのか? 楽にしてろよ」
「でき、るかぁ……っんッあっあぁっ!」

やがて窄みまで指を這わせると指先をゆっくりアナルの中に滑らせていく。ローションのおかげでいとも簡単にすっぽり咥え込んでしまう。

「あ゛ぁっん゛っ……うぐぅっ……!」
「大丈夫? 由多。きつくない?」

乳首を舐めながら希が顔を覗き込む。

「大丈夫……っなわけ、ある、か……こん、な……っんはぁっあひっ」
「だよね、ごめん。でももう俺たち止められない……ちゃんとイかせてあげるから許して?」

こんなあり得ない状況なのに優しい希の声が妙に心を落ち着かせる。わずかに気が緩んだその瞬間、ずるっとパンツが引き下ろされた。勃起したペニスがあられもない姿で二人の前に晒される。

「よかった。ちゃんと興奮してくれてるんだね」
「本当のお楽しみはここからだぞ」

雄吾の指がさらに奥へと進む。長い指で深いところを探るように突いてくる。

「アッ…あ゛っうあっ……はぁっ、奥……あ゛ぁっ…あ゛んっ」
「グチョグチョいっててやらしー穴だな」
「はぁっ…っ、お前…の、せい……だろ……っあ゛ぁぁっあんっはぐう……ッ」

ケツの中をグリグリ掻き回されて腹の中が気持ち悪い。粘膜が擦られるとびくびく腰が震え背筋が強張った。

「あ゛っ…んんっあ゛っはぁ……らめぇっ……ん゛ぁっは……!」

雄吾の指が変なところに当たって震える身体を大きく仰け反らせると、ピクピク跳ね上がったペニスを希がそっと握る。

「こっちも集中して? 由多」
「ん……っ! や…っぁあっそっち、は……っ、んっはぁっあ゛ぁぁ」
「すっごいビクビクしてる。我慢汁も溢れてきてるよ?」

希が亀頭を手のひらで包みくりくりと撫でる。

「こうしたらもっと気持ち良くなれるかな」
「あ゛ぁっあっはぁ……希っ……や、やめ…ぇ゛あ゛っ」

希が股間に顔を寄せて何の躊躇いもなくペニスを咥える。じゅるっと音を立てて汁を啜り、竿に舌を押し付けて上下に口を動かす。どこで覚えてきてんだよそんなの。正直、オナニーする時たまに使うオナホより気持ちいい。相手は希なのに。

「あ゛っんっあぁぁ……はぁぁっん゛ッあぁっあん」
「いい感じに蕩けてきてるな。指二本はもう余裕で入るぞ」

雄吾の指が追加され、ピストンするように抜き挿しを繰り返した。雄吾のくせに手つきは全然荒々しくなくてむしろ俺の反応を窺いながら呼吸に合わせて挿入してくる。さっきまでの気持ち悪い感触が徐々に快感へと変わってきていることに気付く。

「んはぁっあ゛っあんっアッ……!」
「っ、あんまり締め付けるな……もっと力抜けって」
「はっ…はぁっ、む、むりっ……無理ぃっ…い゛ああぁッ、んっあぁっぁ゛っ…これ……おか、しく…なる……っ」
「大丈夫。おかしくなった由多も可愛いよ。もっと壊しちゃいたいくらい」

希が口いっぱいにペニスを含んでじゅぽじゅぽフェラチオしながら鋭い視線を向けてくる。感じてる顔をまじまじと見られて恥ずかしいやら情けないやらもうわけがわからない。一気に快感に襲われ、腰の奥から熱いものがせり上がってくるのを感じる。

「あぁっ…ん゛っぁっ…で、出ちゃ……っ、も…イキそ……っ、はぁっぁ゛っ出る、う゛ぅっ…や…、イキ…たい……っあぁぁっあんっあ゛ぁっ」
「いいよ。我慢しないで全部出して」
「ほら、由多。イッてみろよ。一番気持ちいいとこ突いてやるから」
「あ゛ッ…!? ひ゛、い゛っ、ああぁぁっ……!」

さっきまでとは比べ物にならないほど強い刺激が全身を駆け巡った。腸壁が痙攣し、射精感とは違う何かがペニスの奥をツンと疼かせる。ガクガク震え出す身体を雄吾ががっちり支えながらそれでも指のピストンは止めてくれなかった。

「ここ、前立腺な。覚えとけよ? これからもっと時間かけて開発してやるから」
「あ゛っぁっ、らめっ…んぁぁっ……それっ、いやだぁ……っんあ゛っぁっ……ごりごり、すん…なぁっ……あ゛ぁぁぁっ」
「ちょっと由多〜……あんまりエロい声出されるとうっかり貰いイキしそ……」
「はぁ……早くお前の中ぶち込みてえ……っ」

抑え切れない声を上げるたび二人の息も熱くなる。ボルテージが最高潮に高まった三人の吐息が混じり合って一つなる。

「んあ゛…っ、もっ…出…る……っあぁっあぐっあ゛っはぁ……イ…ク…っ、う゛っぅう…っあんっあっあ゛ぁぁ……―――!」

雄吾の指がぐっと前立腺を押し上げた瞬間、完全に頭の中が真っ白になって限界に達した。希の口の中に勢い良く精液を放ち、がくんと力が抜けて崩れ落ちそうになる身体を後ろから雄吾がしっかり支えてくれる。

「はぁ…はぁ…っ、ごめ、希……ティッシュあるから……」
「ん……いいよ。もったいない」
「……は!? ちょっ……出せって!?」
「だ〜め。んっ……もうゴックンしちゃったし」

悪びれる様子もなく希が喉を鳴らして「ほらね?」と空っぽになった口の中を見せてくる。

「じ、冗談だろ……何考えてんだよ飲むとか……っ」
「え? 由多が俺のフェラでイッてくれたんだと思うと感無量で」

青ざめる俺に希はけろっとした表情で嬉しそうに舌なめずりをしてみせる。ますます唖然とする俺をよそに雄吾が割って入ってくる。

「おいちょっと待て。イかせたのは俺だろ。前立腺ほじくってやったら一瞬でこいつ―――」
「いやアナルだけでイクってさすがに初めてでハードル高すぎでしょ」
「てんめっ……アナルで勝負持ち出したのはそっちだろが!? 希ッ」
「はぁ〜これだから脳筋はやだね〜。俺の助けがあったから気持ち良かったんだよ由多は」

そうだよね? どうなんだ? と二人がぐいぐい迫ってくる。

「っだあ゛ぁぁぁ〜〜、もううるせぇ! やっぱお前ら今すぐ殴らせろ! さっさと服返せっ!!」

結局、お決まりの喧嘩両成敗で俺たちはいつも通りだ。
いつも通り―――そう思ってるのが俺だけだと知るのは、もう少し後の話。

  

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