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「やめ、ろ…っ、蒼佑そうすけ……なぁ、おい…っ」
「どうして? 辛いでしょ、このままじゃ」

ペニスを握られて上下に擦られ、無条件に腰が震える。抵抗の言葉とは裏腹に勃起してしまう自分が情けないことこの上ない。

「お、…かし、だろ…っ、こんな…あッ、ぅぁっ」
「おかしくないよ。大丈夫だから、感じて? 兄さん」

嘘だ。男に―――弟にこんなことをされて感じてしまうなんて。
制御の利かないペニスが硬く膨らみ、我慢汁を滲ませる。蒼佑がそれを塗り広げるようにくるくると人差し指を動かし、滑りが良くなった亀頭を指先で擦りながら竿を扱く。

「ん…っ、は…あっ、ぁぁっ、や、…めっ、蒼……っ」
「兄さんにこんな怪我させちゃったの、僕のせいだから。せめて治るまで僕にできることはさせてよ」

確かに俺は、突っ込んできた車に撥ねられそうになった蒼佑を庇って重傷を負った。全治三ヶ月の大怪我で、なんとか退院できたものの移動にはまだ松葉杖がいるし骨折した利き腕は動かすこともできないし、しばらくの間は何かと不便な生活を強いられることになった。
だからってこんな、自慰の手伝いをさせるなんて兄弟であるまじき行為だ。

「蒼佑…っ、も……いい、から…っ…さ、わる…な…っぁ…ああ…っ」
「ここでやめたら余計に辛くなっちゃうよ」
「だからって…、こんな…、こ…とっ……や、…め…っんあぁッ!」

必死に理性で抑えつけているのに、緩急つけた擦り方をするせいでいちいち反応してしまう。

「な…んで、お前…っ」
「僕だってもう高校生なんだよ? 触り方くらい知ってるよ」

そりゃ、蒼佑だってもう可愛いだけの弟じゃない。自慰くらいしていてもおかしくない年頃だとは思うが、それとこれとは別だ。
だいたい何でそんな風に落ち着いていられるんだよ。こっちは死ぬほど恥ずかしくて泣きたいくらいだっていうのに。

「んっ、はっあぁあっ…蒼、佑っ…やらっ…んぁ…っ、も…離しっ…あぁぁっ」
「我慢しないで。だって兄さん、入院中ずっと溜まってたでしょ? 本当にごめんね…僕のせいで」
「アッ…うぁっあぁっ、や……ッ、んっああぁっ」

優しく握られたまま上下に撫でられ、自分のものとは思えない甘い声が洩れる。硬く膨張したペニスも意思に反してヒクヒク疼き、今にも発射してしまいそうな状態だった。

「蒼佑…っに…、こんな…こと…っ、させたく、なっ……んぁっあっ、きた、ない…から…っ」
「そんなことない。僕が兄さんに触りたいんだ。兄さんは、ただ感じてくれるだけでいいから……」

快感に侵された頭では蒼佑が言ったその言葉の意図を理解する余裕などなかった。一瞬覗かせた切なげな表情が余計に俺を熱くさせ、近づく限界に腰を震わせた。それを察してか、ペニスを弄る手の動きが速くなる。

「ぁっ…はぁっんッあ、だめ…だ…っ、も…、出る……っ、う…っぅくッ」
「いいよ……大丈夫。シーツは汚さないようにするから」

この期に及んでそんなこと気にもしていないのに、蒼佑が暴発寸前のペニスに顔を近づける。そして、あろうことか先端を唇で挟むように咥え込んだ。

「ッ…!? ばか…ッ、お前、なに…っ」

躊躇いもなく口に含んで受け止め体勢に入る弟の姿に唖然とする俺に、蒼佑は追い打ちをかけるように口の中で舌を動かし亀頭を舐め回し始める。

「や…、あッう…っはぁっ…や、め…っ…そう、…っす…けぇ…っ、それ、らめ、ぁッああっ」

肉棒に舌を押し付けながら顔を動かして擦り上げる。情けない声を抑えきれず喘ぐ俺に蒼佑の表情もどこか熱を帯びていた。

「すごいね、まだ硬くなるんだ」
「ぁっあっ、んッ…ふっ…あぁっはぁっ…マジで…っ俺、もう…無理……っぁぁあっ」
「うん……僕の口の中に出して」

蒼佑が口を窄めてじゅぽじゅぽとペニスに吸い付く。昂ぶりがピークに達したその瞬間、頭の中で何かが弾けた。腰がぶるっと震え、ペニスが激しく脈打つ。

「あぁぁッ、はぁっあん…ッあ、ぁ、イ…ク…ッ、ぅ…くっ……!!」
「ん……んく…っ」

温かい蒼佑の口の中にどくどくと精液が放たれる。蒼佑が顔色一つ変えずそれを飲み下していく。ただでさえ眩暈のしそうな状況なのに、そのまますぐには口を離そうとせず丁寧に啜り上げてくる。

「も…っ、いいって……ンあッぁっはぁっ」

執拗な刺激に下半身が疼く。一度収まりかけていたペニスがひくひく痙攣しながらまた硬く膨らんできた。

「んっあっあぁぁっ…そっ…そう、すけ…っ、あっ、あっぁんはぁっあんっ」
「ふ……兄さん可愛い。ねえもっと……兄さんの全部、僕にちょうだい。怪我が治るまで、ずっとこうしてあげるから」
「あっ、んっぁぁッ、あっ…や、ぁうッまた、イク…っ、うぁぁっぁぐっうはぁ……っ!」

蒼佑の甘い声に導かれて、残っていた僅かな精液が再び口内で放たれた。
居たたまれない感情に襲われたが、蒼佑がなぜか嬉しそうな顔をするから俺の罪悪感は小さく吹き飛んだ。

  

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