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「失礼致します。―――お呼びでしょうか、ご主人様」

重い扉を開けると、腕を組み不機嫌そうに足を揺すって仁王立ちするご主人様が待ち受けていた。

「ずいぶん遅かったね。待ちくたびれたよ」
「申し訳ございません。お庭で花の手入れをしていたもので」
「相変わらず仕事熱心なメイドさんだ。少しは他の者へ任せたらいいものを」
「いけません。私の仕事ですから」

何度も交わしているこの会話。頑なに譲ろうとしない私にご主人様は苦笑する。

「主人の命令……とでも言えば、君も少しはそんな風に意地を張るのをやめるのかな」
「いいえ、これは意地ではございません。私は雇われの身です。ご主人様のために働き尽くすことは私の務めでございます」

やれやれ、とご主人様は額に指を突いて息を吐く。静寂な空気が流れ、鋭い視線が私を見据えた。

「それならわかっているね? 僕を退屈させないことも、君の務めだっていうこと」
「……はい。ですからこうして参ったのです」
「じゃあ、早速楽しませてもらおうか」

その一声で、私は躊躇いなく給仕服に手をかける。

「ああ、今日は脱がなくていい」
「え……、」
「うん? 脱ぎたかった?」
「い、いえ、そのようなこと……!」

予想外な指示に声を上ずらせる私にご主人様は構わず続けた。

「僕に見えるように自分で捲って」

言われるままスカートの裾を持ち上げる。

「もっと上まで」

裸にされ抱かれることにはもう慣れているはずなのに、そんな風に見つめられたら平常心が保てなくなる。
私はご主人様から下着の着用を許可されていない。だから今、ご主人様の目に映っているのは私のあられもない下半身なのだ。

「……偉いね。ちゃんと言いつけを守って仕事していたんだ。感心するよ」
「ご主人様の…お申し付けですから…」
「ふ…さすが優秀なメイドさん。僕の言うこと何でも聞いちゃうんだ」

満足げに目を細めるご主人様の嬉しそうな顔は私へのご褒美だ。
こうして褒められることに快感を覚えてしまう。だから私は、どんなご命令であってもご主人様に背くことはしない。

「そこに座って。よく見えるように脚を拡げて」
「……はい」

促されて椅子に腰かけると、ご主人様も一メートル程の距離でソファに座り、対面する私をじっと眺めた。
ゆっくりと脚を拡げる。もっと、というご主人様の声が視線から伝わってくる。さらに大きく股を開き二本の指で割れ目を引っ張って拡げると、ぱっくりと開いた恥部が剥き出しに晒された。

「君は花の手入れをしながら濡らすのかい?」
「っ…、それは…」
「真面目な君が仕事中にいやらしいことを考えていると思うと興奮するよ」

舐めるような視線に射すくめられ、鼓動が高まっていく。

「どうするべきか、賢い君ならわかるよね?」
「……はい」

左手で割れ目を開いたまま、右手の中指をそっと滑らせた。筋をなぞり、蜜汁を絡め取るようにして上下にゆっくりと擦る。

「っ…ん…、ぁ…っ」

触れた途端に子宮に奥が熱く疼く。爪で軽く突起の表面を撫でると小さくひくついた。

「はぁっ、は…ん…っ、んぁっ」

ご主人様は黙ったまま視線だけを真っすぐこちらに向ける。小さな穴も、クリトリスも、肉襞の凹凸まではっきりと見られている。その羞恥心が私の興奮を倍増させた。

「ぁっ、ん…はっあぁっあん、ぁ…ッ」

クリトリスの上を円を描くように指の腹を押し付けて捏ねくり回す。控えめだった指の動きが次第に大胆に、快楽を得るために没頭する。

「あっ…ぁんっあっはぁっう…っ! んんっんぁッ、あぁっぁんっ……ん、はぁ…ッ!」

びくんびくんと大きく腰が震え、頭の中が真っ白になる。膣口からは滴るようにじわりと愛液が染み出していた。
ご主人様がくすっと笑みを浮かべる。

「もうイッてしまったんだね。でもまだ、君の一番好きなところはそこじゃないだろう?」
「はぁっ、はぁ…ぁ、は…い…ご主人、さま…」

素直な返事にご主人様が優しく目を細める。まだヒクヒクと痺れが残る膣内にゆっくりと中指を挿入する。

「んっ、んはっ…ぁ…ふっ」

飲み込むように指の根元まで咥え込むと、うねる肉襞が熱く吸い付いてくる。

「初めは指一本でさえ痛がっていたのに。今ではすっぽり入るようになってしまったね」
「や…、ぁっ、んん…はっあんっぁん」
「出し入れするところ、よく見せて」

言われるまま指を引き抜いて、押し戻す。動かすたびにくちゅくちゅと濡れ音がいやらしく響いた。

「はぁっぁん、あっぁっんん…ぁッ、ごしゅ、じ…さまぁっ…ぁあっぁん」

ご主人様がいつもしてくださるように子宮をぐりぐりするあの刺激が欲しくて必死で指を奥まで突き動かすが、私のそれでは長さが足りず腰を浮かせて身悶える。

「ふ…いいところに届かなくてもどかしいんだね」
「あぁっ、ぁふ…は、ぁっご主人…さまっ…ぁんっあっ」
「代わりに新しい刺激を教えてあげようか。指を曲げて、内側からお腹を押し上げるように擦ってごらん」

ご主人様に従って指を折り曲げ膣癖を擦ると、ざらざらとした感触に当たった。そこを押し上げると力が抜けて、まるで漏らしてしまいそうな感覚に陥る。

「いぁッ、あ…っ、あひ…! あぁぁっん、や、ぁ…んああぁッ」
「そう、君のGスポットはちょうどクリトリスの裏側辺りだ。僕がそこを突き上げると君はすごく良い声で鳴くよね」
「んぁっは…あふっぁんあっ、や、ら…っご、しゅ…っ、じ…さまぁぁっんぁん…で、ちゃ…っ、出ちゃ…ううぅ…っあぁぁああッ」

言い終えるより早く指の間からボタボタと潮が噴き出し滴り落ちる。卑猥な水音を立てながら止めどなく溢れ、椅子はびしょ濡れに、床には透明の水溜まりが出来上がっていた。

「ああ、こんなに派手に撒き散らして。まるで子供がお漏らししたようだ」
「はぁ…っぁ…申し訳…ございません…っ、すぐに…お掃除を…っ」
「綺麗にするのは後でいいさ。どうせまだこれからたっぷり汚すだろうからね」

その言葉を裏付けるようにご主人様のペニスが目の前に差し出された。
お仕置きか、ご褒美か。与えられた悦びに私はただ貪りついた。

  

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