黒猫のいる世界 | ナノ


▼ 7匹目

「だぁっくそったれが!抵抗しないのを良い事に散々痣作りやがって!!

こんなのボスにばれたらどうしてくれるってんだ・・・」

横っ腹に出来た青痣を服の上から撫でて帰路をゆっくりと歩く。いつもなら人気のない道の民家の屋根の上を駆けていくのだが、走るたびにこの横っ腹の痣が痛むので、今日は大人しく徒歩だ。殴られけられ続けて早5日。痣は治るどころかその存在を激しく主張するばかり。腹の方は一応かばっているが、そのおかげで背中は酷いことになっているはずだ。骨は今のところ居れていないので、まぁ大丈夫だろう。
そういえば先日]世と姫崎とその父親が商談の席に着いたらしい。そしてなぜかボスたちもその席に呼ばれたとか。あの豚面食いだからボスたちに手ぇだしてないといいけど。まぁでも、あの豚も一応マフィアなんだし、手ぇだしてもいい奴と悪い奴ぐらい見分けつくだろう。





「・・・?」

エレベーターを降り、玄関まで向かうと扉の前に誰かが立っているのが見えた。よく目を凝らしてみると、それは大変見知った顔である顔に気付く。毎日見ていたヴァリアーの隊服にボーダーのシャツ、シニカルな笑みと目を奪われるほどに輝く金髪と銀のティアラ。今イタリアに居るはずのベルが、そこに立っていた。不測の事態に思わずその場で足を止めると、ベルの笑みはボクに向けられ、彼はこちらに歩いてきたかと思えばボクをその腕に閉じ込めた。ベルの吐息が耳元で聞こえる。

「ベル・・・?なんで、ジャッポーネに・・・?」
「しししっ、任務中のレヴィ以外は居るぜ?」

ベルはそういうとボクを横抱きにする。






「お帰り。オヒメサマ」








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