黒猫のいる世界 | ナノ


▼ 4匹目

「お前、ヴァリアーの・・・」
「そう。シャローナ=キース。常嗤いの黒猫とはボクの事さ」
「最後にあったのはもう5年も前か」

んー、多分その位 とりボーンに淹れて貰ったエスプレッソを喉に流し込んだ。
あの後、結局具合が悪くなったと言って学校を早退してきたボクは]世の家にいる。]世の母親に通された]世の部屋ではアルコバレーノ、リボーンが優雅にエスプレッソコーヒーを飲んでいた。リボーンと会ったのはたまたまボンゴレ本部に用があって本部に出向いた時。その時も彼はこうして窓際でエスプレッソを飲んでいた。

「リング戦の時は一度も顔出さなかったしな」
「しょうがないだろ。闇リング戦は大空線の後にやることになってたけど大空線でいろいろあってできなくなっちゃったし。それにそっちも闇リングの守護者は一度も顔を出していないだろ」
「あんなの自業自得だろうが」
「別にザンザスは悪くない」

お前は本当ににあいつが好きだな とリボーンが呆れた様に言ったところで、]世は帰ってきたようで、ボクと目が合うとそれは大層驚かれた。

「な、なんで家に!?」
「あんな後で教室に戻れないだろ」
「あ・・・」

]世はそれからすぐ笑顔に言なって言う。けれどそれはとても真っ黒だった。

「ごめんねキースさん。うちの雌豚が迷惑かけちゃって」
「全くだ。家畜の躾け位しっかりしてほしいものだよ」

何かあったのか? と聞くリボーンに]世が僕が殴られた後のことを細かく説明し始めた。
あの後保健室で適当に手当てをしてもらった姫崎は、教室に戻るとそれはそれは醜い顔で演技をしたらしい。気持ち悪い泣きっ面でクラスの連中に僕に目障りだ消えろと言われ、カッターで切りつけられたと訴えたらしい。当然それは笹川京子の時と同じように馬鹿なクラスの連中に火をつけて、明日からボコそうぜいえぁなる計画が立てられたらしい。幸か不幸か午後の授業はどちらも担当教師不在の中の自習だったらしく、それはもう楽しくボクをボコす計画が作られたらしい。]世はそれには参加しなかったらしい方内容は分からないらしい。
そこで前回あった笹川の時のことを聞いてみると、何とも幼稚だった。例えば下駄箱にゴミやら虫やらを詰めてみたり、机に呪詛を書いて見たり持ち物を捨ててみたり。殴る蹴るに関しては山本武と獄寺隼人が中心の男子で、前途したものは女子の担当だったそうだ。笹川の兄はどうだったのか聞けば、彼は妹の味方だったようで、何かあれば妹の笹川京子を助けていたらしい。が、今回はおそらく笹川の兄も敵だろう。笹川がターゲットだった時の兄の力を目の当たりにしたのであれば、今回は何らかの手を打ってくるはずだ。

「それで、今回のことは引き受けてくれるんだよね?」
「じゃなきゃジャッポーネになんて来ないし」

それもそうかと苦笑する]世にコーヒーを啜る。

「で、具体的には?」
「あの豚は殺る」
「・・・え?」

少し、不安げな顔をして]世は言う。え?って何さ。まさか今更殺してほしくないとか、そこまでしなくてもいいんじゃないのかとか言う気なのか、と睨みつける。うっ、と言葉に詰まる]世。あぁ、もう。なんで]世も\世も甘いんだ。そもそもは\世があんな甘いから]世にまでその精神が受け継がれちゃってるんじゃないのか。ほんっとに、どうしようもねーな。

「]世が何と言おうと僕は豚を殺すよ。本当は一般人に手を出したって言って復讐者に突き出してやってもいいんだけど。
あの豚はマフィア界の暗黙の了解を何も知らないようだからね。あの後すぐに針鼠にすることに決めたのさ」
「暗黙の了解・・・?」

あれ?]世知らないの?

「”常嗤いの黒猫は無闇に名乗るべからず”。無闇矢鱈にその名を名乗ると必ずそいつは殺される。本物の常嗤いの黒猫にな。ついこの前もどこかのファミリーが潰されたんだぞ」

リボーンがボクの代わりに説明してくれた。

「へぇ。でも、なんでそれが関係があるんだよ?」
「だからお前はダメツナなんだ。

目の前に居るのが本物の常嗤いの黒猫なんだぞ」
「で、あの豚はそんなことも知らずに常嗤いに黒猫を名乗っている]世側の闇の守護者ってわけ」

数秒の沈黙の後、悲鳴が上がる。

「えぇぇぇ!?本物!?って言うかリング戦に来ないと思ったらあの豚が守護者だったの!?」
「ボクはヴァリアー側の闇守護・・・あ、そうか」

じゃああれか。リング戦はまだ微妙に終わってないのか。
良い事思いついちゃった。とりあえず\世に交渉しよう。ザンザスはきっとオッケーしてくれるっしょ。

「]世、リボーン。ボクもう帰るね」

二人の返事を聞かずに]世の部屋の窓から出る。
そうか。そうだよね。終わってないなら殺っちゃえばいいわけだ。終わってないなら\世も死炎印付きで許可を擦れるはず。そうすれば嫌がおうにでもあの豚はこれに参加しなくてはならない。
そうと決まればさっそく連絡だと、僕は早々に帰路についた。


―side 姫崎―

むかつく・・・!なんなのあいつ!!
教壇に立って自己紹介してた時は無表情だったから根暗だと思えば全然じゃない!!この有莉にむかって黙ってだの豚だのって好き勝手に言ってくれて・・・!おまけに席はツナ君の隣ですって!?冗談じゃないわ!!あんたは知らないんだろうけどツナ君はイタリアンマフィア最強のボンゴレファミリー十代目ボスなのよ!?だから有莉が結婚してマフィア界のファーストレディになろうって言うのに、あんたごときが有莉の邪魔すんじゃないわよ!!



「黙ってって聞こえなかったの?あとその汚らしい顔を僕に見せないでくれる?」



目を合わせて心底嫌そうに有莉に向かって言ったあいつの顔が浮かぶ。この可愛い可愛い顔に汚らしいだなんてふざけてるわ。有莉は世界一可愛いの。あんたみたいに黒髪に金瞳なんて地味じゃないのよ。いくらか整ってる顔してるみたいだけど有莉の方が断然上ね。あぁ、でも何人かあいつ見て可愛いとか言ってたわね・・・。明日にでもシめとかないとね。
クラス連中は皆有莉の駒。有莉の事なら何でも聞いてくれるの。今に見てなさい。
アンタも今引き籠り中の笹川京子や黒川花みたいな目に合わせてあげるんだから!!


「くたばりなさい、シャローナ=キース・・・!」



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