ちょっとお話ししてみたくて


そう素直に告げた私に、ヒバリは訝しげな反応を返してきたが無視をするつもりはないらしい。
無言で彼の後を着いて行くと、そこはよく見た研究所近くの公園だった。
お高そうな黒スーツのまま、たいして綺麗でもないベンチに座り込んだヒバリに驚いたが、大人しく横に腰掛ける。
ハンカチーフをひいてくれるはずもない、そこに。


先に口を開いたのはヒバリだった。


「それで、研究者が何の用?」


研究者。
そう言われたのは二回目だ。
どうして研究者だと思ったのだろう?


そう考えたが直ぐに理解した。
研究所から着いて来たのだから研究者なのだ。
なんだ、そういうことか、と。


だから私は少しも隠しもせずに、直接的に聞いてみることにした。


「ヒバリはどういう人なんですか?」


「…………」


少し驚いたらしい。
ヒバリの目がそう言う。
だが私は質問を間違えたつもりは、ない。


「僕について知って意味があるの?」


「ヒバリはクライアントです。クライアントの希望する商品のために、ヒバリを知りたい」


ヒバリ、貴方はどんな匣リングを求めているの?
販売所ではなく研究所までわざわざ足を運んで来る意味は何?


その質問に、ヒバリは当たり障りのない答えで返して来た。


「僕は風紀財団…………と、ボンゴレに所属しているらしい」


「らしい?」


「僕の意志ではないけれど、まあ必然的にね」


運命的でも強制的でもなく、必然的に所属した?


ますますヒバリの意図が分からなくなった






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