──関わらないように気をつけよう。
そう心を強く持って、荷物を手にした瞬間、ドカッと音がして、本能的に身を丸くすると。
横に何故かあの集団の一人で、銀髪の男が座っていた。
いや、吹っ飛ばされていた。


「あ、あの、大丈夫ですか?」


しまった、と思ったが時既に遅し。
関わらないようにしようとしていた男が、ギロリと睨みつけて来る。
──死ぬかもしれない。
一瞬で、頭の中に“死”という単語が飛び回った。


だが、私の脳みそとは反対に、男は手を差し伸ばしてきた。


「すまねぇ。日本人か?」


「へ?あ、はい」


あまりに流暢な日本語に呆然としてしまい、無意識にその手に手を伸ばしてしまう。
気付けば彼と手を繋いだまま「お前も飛行機か」と、相手の零す言葉に耳を傾けてしまった。


「カス鮫が!何時まで待たせる気だ!!」


が。
私の目の前で銀髪の彼は、ブーツに遠慮無く吹っ飛ばされた。
あまりの気迫に、もう脳みそは完全にショートしてしまって、何も分からない。
分かるのは、目の前にいる随分と長身の外人さんがこちらを睨みつけて来たのと。





TOP


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -