中学から培ったこの感情は、僕を葉月以外受け付けない身体にしたらしい。


一度だけ会った未来の君を思い出す度、僕には彼女しかいないと何度も痛感させられた。


多分これは純粋な気持ちじゃない。
白く綺麗な想いではない。
どす黒く、ドロドロとしていて、葉月を二度と離さない、妖しく危険な感情だ。
だからといって、彼女を逃がすつもりも手放す気も全く無いけれど。


「恭さん、着きました」


何時もの哲の運転で。
何時もの地下アジトへと戻る。


並盛神社の鳥居を潜っても、僕の欲望が治まることはなかった。
















この感覚は実に難しいものだ。


現に今僕は自室の部屋の前。
きちんと敷かれた布団と、冷めても食べられる食事を確認する。


僕のために家事をするのは葉月の仕事。
勿論彼女は先の哲からの電話を受けて、この場にはいない。
きちんとしている。


が。
今の僕の感覚は、仕事のせいで普段より何倍も研ぎ澄まされていて、君が襖を開けた奥に、きちんと控えているのを容易に感じ取れる。


理性は今すぐ消えろと叫び、
本能は今すぐ抱いてしまえと叫ぶ。





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