「お願い葉月、協力して!!」





「跡部景吾に告白したいー?」


小学校からの親友からの意味の分からない相談に、私は正直たじろいだ。


何の縁があってか、私と彼女は中学校に入ってから実に2年と少しを同じクラスで過ごしている。
……腐れ縁とは恐ろしい。


最近やけにそわそわして落ち着きがないと思ったら、親友はなんと恋の病にかかっていた。


しかも相手は跡部景吾ときたもんだ。


──何でよりにもよってあの俺様?


納得出来ない。


確かに彼女は最近可愛くなった。
女の私から見ても分かる位に。
お肌も髪もきちんと手入れされているし、薄い化粧も、スカートの丈が前より短くなったのも、結局跡部景吾のためだったのだ。


「でも……何で跡部景吾?」


疑問は募るばかり。


「この前、体育の授業でね……」


その言葉を皮切りに、彼女の体験談ならぬ、半妄想談が始まった。


かい摘まめば、要は男子の体育の授業でたまたまテニスをやっていたらしい。
その時、テニス部員だった跡部景吾と忍足侑士が模範を見せたそうで。
それを盗み見た親友は──


「ホント格好良かったんだって!今までのイメージ一変したよ。私もファンクラブ入ろうかな!?あ、葉月も一緒に男テニ見に行こうよ!!」


顔を赤くして楽しそうに話す姿は誰が見ても恋する乙女。
こうなってしまったら、私の言葉など聞こえないだろう。


私は深く溜息を吐くと、聞こえていることを願って否定した。


「ヤダ」


その言葉は悲しくも、やっぱり聞かれていなかった。















跡部出て来ない!?
いやいや、この後出てくる予定です。
跡部だったら「オレと付き合えて嬉しいだろ」なんていう台詞が似合いそうですが、あえてここはタイトル通りな策士・跡部様を。
書いてみたいんですー。




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