たとえば、それは。


素敵な人を想いはじめて。
想い人に思いが通じて。
片思いから両思いになって。
相手と恋人同士なんて魅力的だね。


互いに互いを愛し続けれるなら、もうそれは世界の全て。


だけどそう上手くいくことなんて、有りはしない。
絵本の物語みたいに“永遠に幸せに暮らしました”なんて片付けられないから。


「コンラッドなんて信じられない!」


こういういざこざがあるのが、世の中の普通なのだから。





「またどうして君達が喧嘩なんてしたんだい?」


日本の食卓とは違い、家族団欒のイメージとは掛け離れた眞魔国の晩餐中。
村田は特に空気なんてものを気にせずに、燃えたぎる葉月の怒りの炎へ油をぶち込んだ。


晩餐に同席した不運極まりない有利とグウェンダルは、その賢者様の言葉にビクリと身体を震わせる。
内心では互いに「なんてことしてんだ!」と叫んでいるに違いない。


葉月はちらりと、平然と食事を続けるコンラートを確認し、眉をこれでもかというほど吊り上げると。
村田には口元だけ微笑ませて、答えた。















有利姉シリーズより。
嫉妬って可愛いですよね。
お題屋様から借りているタイトルを見て、イメージした作品です。




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