キュッと玉鼎のマントを握り締め、その後ろから覗き込むように私を見詰めてくる小さな男の子。
髪と同様の青い瞳には不安と、微かな嫉妬が伺えた。


「楊ゼン、彼女は葉月だ」


「はじめまして、楊ゼン」


楊ゼンと同じ視線まで腰を落とし、微笑んで手を差し出す。
大きな目をぱちくりさせて、私の全てを見るように隅々まで視線を受けた。


ところが観察に満足すると、彼はぷいと私から顔を反らしたのである。


「やだ」


痛烈な一言だった。















玉鼎夢というよりは、楊ゼン夢?
小さい楊ゼンの可愛い嫉妬話です。
まだ世界が彼と玉鼎だけだった頃、ヒロインちゃんが関わったらどうなるか?
母親の位置に将来収まるヒロインちゃんと出会い話。




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