(学級委員長シリーズ)





「君、今月何があるか分かってるよね?」


珍しく機嫌が良いらしい応接室の主に、若干の不安を感じつつ、今月は何があったかと思考を働かせる。


どうやらその“何か”は雲雀恭弥という男を余程楽しませる事らしい。
3連休かとも思ったが、雲雀さんが休日を楽しみにするはずもない。
何故なら彼の愛する並盛中学校もお休みなのだから。


そうでない事で彼が喜ぶ事とは?


例えば、全国一斉群れない日とか、思う存分咬み殺す日とか。
そんな絶対有り得ない日があるのだとしたら、それは気分も良くなるのだろう。


まあ絶対有り得ないのだから、あるはずもないのだけれど。


学校行事でいえば体育祭もこの時期。
去年は1年生だった沢田君が色々噂になっていたけれど、今年はどうなってしまうのかな。


でも、いくら何でも雲雀さんが体育祭を楽しみにしているとは思えない。


「えーと」


「思い付かない?」


本当に、よっぽど機嫌が良いのだろうか?
お気に入りであろう応接室の皮張りソファーに足を組んで座り、片手をついて、悩む私を見詰めながらクスクスと笑っている。


その余裕にちょっぴりむくれてきた私を見て、流石に悪いと思ったのか。
雲雀さんは驚く位、あっさりと白状した。


「10月といえば中間テストに決まってる。君、テスト勉強位きちんとしているんだろうね?」


──テスト結果位で咬み殺されたくないだろう?


ぽかんとした私が、その追加の一言に慌て始めた所を見て、雲雀さんはまたクスリと笑った。


雲雀さんが見たかったのは私が慌てる姿だなんて、知らずに。




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