(鉄道員シリーズ)「はー、いい加減疲れた」
「クダリボス?」
珍しく笑顔ではなく、眉間を指で押して疲れた顔をしたクダリボス。
その辛そうな表情はまるでノボリボスみたいだ。
ぱらぱらと溜まった書類をつまらなそうに見ている。
肩肘付いたまま。
「そんなにお疲れですか?」
「……うん、かなりね」
驚いた。
何時もの笑顔で可愛いクダリボスではないみたいだ。
クダリボスをここまでにさせる理由とは?
「だってさあ考えてよ。この歳になった男が何時までも“ぼく知らない”って気持ち悪くない?」
「はあ……」
「ぼくだってなにもダブルバトルが得意なだけでスピード出世したわけじゃない。こう言ったら厭味かもしれないけれど、書類を終わらせるくらいなんでもない。なのにこのキャラクター縛りのせいで、書類がこういう風に溜まるのを待たなければいけないなんて、ホント、ストレス以外の何物でもないよ」
「はあ……」
「コレ、もう終わらせていいかな?いい加減鬱陶しいしムカつく」
パラパラ落ちていく書類。
誰この人。
なんか凄くムカつく言葉が連なっているような気がする。
キャラクター縛り?
なにそれ、そもそもサブウェイマスターの縛りもくそも“ピエロイメージ”だけだろ。
ちょっと台詞が歪だからって書類出来ない縛りなんてないだろ。
この上司、刺していいかな?
「…………っていう夢を見ました」
「なんやそれ。病みなん?腹黒なん?スレなん?それか、あれか?アニクd」
「クラウド、言い過ぎです」
「わーん、ハヅキヒドイ!ぼくのこと、なんだと思ってるの!?」
「え、上司」
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