(カノコ組シリーズ)
「恋や愛は、タンパク質と電気信号だけで出来ているものではありませんか」
「そんなことない!もっとあったかいのでできてる!」
「理解出来ません。ヒトの身体など殆どこの二種類で出来ています」
「うわーん、ノボリの分からず屋!!」
なんていう話したの、何年前だろ。
今のノボリ見てるとウソみたい。
「あの、明日は夕刻に上がるのですが、よろしければ食事などいかがでごさいますか?」
「えっ…………その、い、いいんですか、私で?」
「ええ、是非」
照れて真っ赤なハヅキちゃん、カワイイ。
女の子ってなんであんなにカワイイんだろ。
横で顔が緩んでるノボリ見ると、やっぱりぼくが言ったの、間違いじゃなかった。
ハヅキちゃんが帰ってくのを見送るノボリの肩に手を置いて、小さい声で伝えてみた。
「ね、ノボリ。ハヅキちゃんへの想いってさ、タンパク質と電気信号でできてるの?」
「……それは、」
ノボリの答えに、ぼくもにっこり。
うん、絶対そう!
恋は真剣じゃないとつまらない!!
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