──…………は?今、なんて、
「だからー、先輩はどんなキスが好みなんですかー?」
「いや、だから何で?」
“先輩”なんて嫌味な呼び方をするクソ後輩のフラン。
私の、上司。
ただの後輩、で、ただの上司。
超出世頭だ。
あれ?“超”って古い?
「チッ。……察しろよ、クソ」
「ちょっと、今聞き捨てならない言葉が発s」
「知りたいんですー。ただの興味本位ですから」
──クソカエルめ。
大体、そ、そういう類いはベルとか、彼女さんとかに、
「堕王子の趣味なんて気持ち悪いですー。知りたくも聞きたくもないですー。ついでにミー、彼女いないんで」
「人の心読むな!!」
「で、ハヅキ先輩はどんなのが好きなんですかー?」
「かっ、顔近っ」
ズイッとあとドッキングまで数センチ、という所まで詰め寄られる。
視界に、フランしか……
「ふ、普通!」
「フツー?」
「ソフトの、ほら!えっと、ちゅっっていう短い、」
「あー、フレンチキスですかー?」
「そう!フレン……っ!?」
──………………は?
口に変なのが、当たって、
「ん。……足りない。やっぱりミーはがっつりディープの方が、」
「すすす、するなー!!」
カエルに押し倒された。
いや、カエルじゃなくて、後輩。
いやいや、上司。
いやいやいや、だけど、やっぱり後輩。
「ハヅキ先輩」
「盛るな、クソガエル!!」
後輩で上司なカエルの鳩尾に、ストレートが綺麗に決まった瞬間だった。
「ゲロッ」
お題拝借:森blog 様
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