何時もより暖かい布団に丸まって、気持ち良い朝。
五月蝿い目覚まし時計の音も、叫ぶお母さんの声も聞こえない。


──今日は土曜日だったかな?


ころんと寝返りをうつと、頭を優しい手が撫でてくれた。
珍しい。
だけど、とても心地好い、





「君は朝寝坊だね」


はずもなかった。


ばちりと勢いよく開いた瞳で視界を確認する。
今私はどちらなのだろう。
ヒバード?
それとも人間?


考える必要はなかった。
だって此処は、見慣れた応接室。
……の、見慣れない光景だったから。


自分よりかなり大きい周りは、昨日見ていたものと全く変わらない。


──嘘、でしょ。
状況から察するに、つまり私は寝たまま学校に登校したのだ。
それも雲雀さんに連れて来てもらって。


それに全く気付かなかったなんて、なんて鈍感なのだろう。


「此処にいるんだよ。僕は身嗜みの検査に行くからね」


ばさりとトレードマークの学ランを羽織る後ろ姿。


時刻は八時。
“何時も通り”の学校の一日が始まる。







朝寝坊だね
(本当に始まる?)



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