結局そう簡単に意識を飛ばすことが出来るはずもなく、大変なことになる前に目をつぶるという実に無難な選択で事なきを得た。


良かった。
本当に良かった。


しかし今、私は多分本日最後の難関であろう睡眠へと差し掛かっていた。


ちらりと横を見るとドアップの雲雀さんがいる。
見てはいけない、気にしてはいけないと思うが如何せん身体が上手く動かないのは、もう今更。
横にいて、身体を倒したりせずに真っ直ぐに眠るヒバードは、鳥として実に素晴らしい。


『寝ないの、ハヅキ?』


こてんと首を傾けるヒバード。
ああ、やっぱり可愛い。
私なんかとは違い、その鳥らしい仕種は実に愛玩向きだ。


『だって、その……』


いくらヒバードと同じバスケットの中とはいえ、こんな至近距離で雲雀さんと寝ることになるとは。
雲雀さんの枕の横でなんて、眠れません!


綺麗過ぎる横顔。
長い睫毛に白い肌。
白雪姫だって真っ青な美人っぷり。


ああでも。
皆の知らない雲雀さんを知っている。
それは不思議と雲雀さんを同級生と感じることの出来る理由だ。
風紀委員長ではなくて、同い年のクラスメート。
同い年の、男子。



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