雲雀さんがこんなに真面目だとは思わなかった。


たとえ天下の雲雀恭弥といえど、(多分)中学生なのだから、勉強より遊び、委員の仕事より趣味だと思っていた。


けれど、今、目の前にいるのは机に齧り付いて学校で処理しきれなかったであろう風紀の資料に目を通す、風紀委員長。
並盛中学校を愛してやまない、そんな姿だった。


ペラリと捲られる資料。
静寂の中で立つその音は、雲雀さんを遠い存在に思わせる。


静寂といえば、此処、雲雀宅はやけに周りが静かだ。
気付いた時には既にそうで、騒音は勿論、必要最低限の音しか聞こえない。
……同じ町内なのに。


「クスッ」


『っ!?』


突如、聞こえた声に身体がビクリと震えた。
犯人はだれか、なんて考える必要はない。
この部屋には雲雀さんしかいないのだから。


「そんなに見られると穴が空くんだけど」


『すみませんっ!!』


──人間でなくて、本当に良かった。


頭を必死に下げながら、そう思う。
今、もしも人だったら私の顔は真っ赤に違いない。


それに。
もう、大分知ってしまった雲雀さんの優しさに触れてしまったから。



←|TOP



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -