「今日は各自で対戦相手を決め、試合形式で練習を行う」


榊太郎が色々と部員達に指示をしている中、私は、私を見る視線にいごごちの悪さを感じていた。
勿論、その視線の大半はレギュラー陣なのだけれど。


その中でも一際変わった視線を送ってきていたのは、日吉若。
その視線は敵意でもなく疑問でもなく。
ましてや好意などではない。


──何なの?一体……。


日吉若に関しては私としても疑問が多い。
特に今朝の行動は全く予想が付かなかった。


わざわざ藍場サンにサインさせた。
それも意図的に。


──日吉若にとって藍場サンを表舞台に立たせるメリットがあったのだろうか?


気になることは気になるが、そこまで問題でもないかもしれない。
彼が危険因子に見えないのは私の勘違いか?


そうこう考えている内にミーティングは終了し、部員は皆、テニスコートへと移動している。
その中で一人、可愛らしくコートの外から手を振っている人がいた。


「皆、今日も頑張ってね!」


その声に、反応するレギュラー陣。


「俺の勇姿、見とってや!」



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