私は決して優しくはない。















自慢ではないが、私は公立中学、高校卒業、国立大学在学中だ。
私立なんて名前は一度も考えたことがないし、ましてやお近付きになったことさえない。


私立学校初体験。
それは言い換えれば、つまり──


──テニスコート、広!!何に使うのさ!?金の無駄だっつのー!!


と、心の底から理解に苦しむ現実があるということだ。
それが私立ではなく、氷帝学園の特殊条件であることも知らず。


まあ、落ち着いて考えれば、私の役目はテニスをすることではないし、あくまでも問題を起こしている馬鹿共の始末をすることに専念すれば……。
私立の異様さは無視出来るだろう。


気を取り直し、まずは敵情視察からだよね、と、言いたげに周りを見渡す。
広いコートは何故か自然に囲まれており、私の思考を悩ませた。


──酸素多量か癒し効果でも狙ってるのかな?あ、でも“お決まり”の設定から行くと……。


私は想像してしまった嫌な事実に溜息を吐いた。


「誰?」


“これもお決まりかな”と思いつつ、声がした方を見上げれば、木の上からこちらを見下ろす男のコ一名。



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