神様なんて大嫌いだ。
キーンコーンカーンコーン。
学校のチャイムが鳴り響く。
静かだった校舎から、学生達の明るい声が零れた。
数分すると、ホームルームも終わったのか、楽しそうにお喋りをして帰宅する学生達とすれ違い。
私こと、楓原綾は、そんな学生達を横目に目的の部屋まで廊下を歩いた。
“職員室”
探していた部屋のプレートを見て思わず苦笑してしまう。
──なんて懐かしい響きなんだろう。
職員室なんて言葉、何年ぶりに聞いただろうか。
止まらない笑みを必死で抑え、職員室の扉を開ける。
沢山の大人達の中、探していた人物は直ぐに見付かった。
相手も私に気付いたのか、手を挙げ、私を呼ぶ。
それに答えるように相手の元へ足を運んだ。
「初日はどうだった?何か不具合は生じなかったか?」
「不具合なことばかりで困りました」
「それは大変だったな」
──ええ。ええ!ええ!!大変でしたとも!!
その言葉に私は夢の自らの発言を心底呪い、後悔した。
金輪際神様を二度と軽視したりしない。
誓おう。
だから本気で助けてほしかった。