「シャンデラ、出発進行!」
「デラッシャン!」
サブウェイマスターが繰り出して来たシャンデラに、思わず目が点になる。
何故なら、今、私が手に持つこのモンスターボールの中も、
「……行くよ、シャンデラ!」
「シャーン」
シャンデラだから。
初挑戦のスーパーシングルトレイン四十九戦目。
さすが廃人の巣窟と噂に名高いその機関に、挑戦する権利を得てから早数ヶ月。
やっとの思いでサブウェイマスターに挑戦出来るこの車両に到着して直ぐに、私の心はガッツリ折れた。
シャンデラ。
私の一番のパートナーである彼女。
その彼女に、明らかに素早さの違うサブウェイマスターのシャンデラのシャドーボールが繰り出された瞬間。
私の負けはあっさりと決まったのだ。
勿論、直ぐに交代したが弱点を突かれた彼女が残した体力はとても少なく。
結果、オノノクスを前に倒れてしまった。
「貴女様の戦いぶり、決して悪くはありませんでした」
あぁ、その言葉をシングルトレインで何度聞いただろう。
せっかくのチャンスを、私の判断ミスで逃してしまった。
また、一両目からやり直し。