次の挑戦者が現れるまでに完璧に美しく掃除を仕上げなければ。
乗車した車両最後尾、まさかの“ヘドロばくだん”のせいで惨劇と化していた現場を見ても、それは当たり前のバトルサブウェイの日常だった。
「ああ、イライラします!」
「どうしたの、ノボリ珍しい」
わたくしは先程の挑戦者様を思い出すだけで、普段の仏頂面が更に眉間に皺を寄せた険悪な状態になることを知りつつ、止めることが出来ませんでした。
クダリが慣れたようにキャンディを頬張りながら、わたくしの顔を覗き込んできます。
「先程の挑戦者様のワルビアル、“ヘドロばくだん”を使われました」
“それの何が問題なの?”
そう言いたげなクダリの顔。
言いたいことは良く理解しております。
しかし、しかし!!
「ノボリのドリュウズだって“どくづき”使う」
ああ、属性や効果のことではないのです。
そもそも、わたくしのドリュウズが“ヘドロばくだん”程度で苦戦を強いられるわけではございません。
そうではなく──
「とても品のないワルビアルでございました」