数時間後、グウェンダルが血盟城に到着すると執務室は静寂と重い空気に包まれていた。


彼も普段の不機嫌な顔が、今はまさに、というよう。
だがそこは長兄として、そして一人の軍人として。
感情を押し殺し、専用の椅子に腰掛けた。


そして、たっぷりと時間をかけ、その深い青の瞳で着席している人物達を確認すると。
その有利が羨む重低音を紡ぐ口を開いた。


「グリエ。現状を報告しろ」


全員の視線が一気にグウェンダルに向けられる。
そして、ヨザックへと。


ヨザックは全員の意識が自身に移ったのを確認すると、何時もの明るくおちゃらけた雰囲気ではなく。
一軍人としての、滅多に有利には見せない真面目で落ち着いた声で、与えられた職務を熟した。


「今朝方、案件のアジトに確認に行ったところ、既にそこには何も残っておらず、残っていたのはリーヴェの……ゲイン・リーヴェの物と思われる剣だけでした。現場に血が散乱していたことを考えると、残党と一戦交えた後、連れ去られた可能性が高いと思われます」



←|TOP


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -