彼は太陽のように眩しくて。
ヨザックと合流し、血盟城まで馬を走らせている最中。
白鳩便から指示が出、魔王陛下が帰国したことを知った。
「魔王陛下は血盟城にいるとばかり思っていた」
「あ、そうか。陛下は異国で生まれたんだと。定期的に帰国してるから不在の時も多いな」
「へぇ」
リーヴェは魔王陛下の意外な素性に純粋に驚いた。
「双黒の魔王陛下だろう?どんなお方だ?」
ヨザックは楽しそうに笑う。
「可愛らしい方だよ。真っ直ぐで可愛らしい坊ちゃんだ」
「良い魔王陛下なのだな」
それに真っ直ぐな瞳で返した。
「どうして?」
「ヨザが絶賛しているから」
リーヴェは表情にこそ出さないものの、会話の内容から、今もヨザックを信用していることが伺えた。
ヨザックは内心、彼女のその真意に喜ぶ。
だからか。
少し、リーヴェの傷に触れてみることにした。
「坊ちゃんは戦争反対主義者だぜ。一昔前のこの国では有り得ない考え方だが、オレは賛成だな」