同じダンスホールで、ヨザックと踊っていたリーヴェは“あぁ、変わったんだ”と確認出来るくらい、本当に綺麗だったんだ。
だけどなんでかな?
コンラッドにエスコートが変わった瞬間のリーヴェは、初めて出会った時より、近付き難くて、不安そうなんだ。


なぁ、本当の仲間なんだろ?
腹割って話し合ってみろよ。
意外と馬鹿馬鹿しい理由かもしれないからな。


お兄ちゃんの時みたいに、さ。














一瞬止まった視線と固まった身体は正直だ。
いくら感情を押し殺したとはいえ、無意識に反応するところまで対応しているわけではない。
それは当然のことながらヨザックにも、そして、コンラートにも認識出来るくらいの反応だった。


「……ッ」


“しまった”とリーヴェが認識するより、何か言葉が出るより早く、コンラートがエスコートの第一歩を踏む。
添えた片手と、もう一方は腰を抱き、まるでヨザックから攫うように。


曲に合わせたスローテンポなダンスと、密着する身体。
香水ではない、明らかな彼の匂いと温かみがリーヴェの思考を更に混乱させた。


「狡いと、思うかい?」



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