──この手で君を守れたら、どれだけ幸せだろう。


ギシリと鳴るベッドの上で。
コンラートの伸ばした手は、ただ空を掴むだけ。















初めてリーヴェに出会ったのは随分と若い頃だった。


嫌な時代だった。
魔族と人間のハーフというだけで、周りに毛嫌いされ、ヒトとして見なされないような時代。
魔族にも人間にもなれないハーフ。
今から思えば、その扱いは家畜以下だったのかもしれない。


ともかく、そんな時代に。
俺は後に掛け替えのない戦友となるグリエ・ヨザックとゲイン・リーヴェに出会ったんだ。


彼等は父に連れられて眞魔国にやって来たハーフだった。
始めに仲良くなったのはヨザ。
歳が近いということ、また、彼の分け隔てない明るさに惹かれたのもある。
大して時間も掛からず、ヨザと打ち解けることが出来た。


父から学んだ剣技を互いに掛け合い、悪戯や、ちょっとした冒険もした。
毎日が楽しくて、俺とヨザは更に仲良くなっていった。


リーヴェと打ち解けたのは、皆が軍人として道を進んでから。


それまでは、ヨザと遊ぶのに精一杯で、彼女のことは殆ど記憶にない。



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