「ま、こんな感じかな」


昼休み、バスケ部員は久しぶりに召集がかかり、全員で屋上でお昼ご飯を食べていた。


内容はといえば、今日は進路指導の関係で三年の赤木と小暮、三井が遅れて練習に参加する件について。
彼等がいない間の練習メニューの確認だった。


何十人と男がそろうと、こうもむさ苦しいものなのか。
屋上には彼等以外に誰も見当たらない。


「何だ、桜木?」


そんな中、花道はじっと赤木を見ている。
箸も止まったままだ。


赤木と何かを真剣に交互に見て、意を決したのか、少し赤い顔で恐る恐る口を開けた。


「それ、もしや……ハルコさんの手作りじゃねーよな?」


ピキッ。


一瞬にして全員の行動が止まる。


「お前はミーティングで何聞いてたんだ!!」


ゴツッと良い音がして、赤木の鉄拳が花道の頭を直撃した。
毎日の光景とはいえ、慣れとは恐ろしい。
他は皆、この流れにホッとしたらしくまた雑談と食事に戻っていった。


「キイテタ、キイテタ!!で、ハルコさんの手作りなのか?」


赤木はハァ、と溜息をつくと「これはお袋の料理だ」と答えた。
彼からすれば単に面倒だったのだろう。



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