「花道に妹!?」


春。
湘北高校に花道と共に入学をした一人である水戸は、彼のフラれた連続五十人更新記録と同じくらいの衝撃を受けた。


「ナンダ、その反応は」


「“何だ”って、オレ初耳だぞ?」


何時もは余裕のあるのんびりとした垂れ目も真ん丸になっていたが、何とか平常心を総動員させる。
少し鼓動も早い。


──花道に妹?どんなオンナだ?


と考えた水戸の想像は、セーラー服のスカート丈が足首まであったり、明るい茶色の無難な髪色だったりした。
つまりは花道や彼等と同じ“不良”のレッテルを貼られている女の子。


伊達に中学から名前が通っている訳ではない。
あまり好ましくないが女子のグループとぶつかった事も何度かある。
それに興味はあまりないものの、そういった噂が耳に入らないはずもない。


が。
水戸には“桜木花道の妹”らしき情報は皆無だった。
少しも引っ掛かる女子がいない。


「実は……オレもあんまり知らない」


「……は?」



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