やっと日直の日誌が書き終わったらしい。
というか、オレは今日日直だったらしい。
オレは寝てたから、多分葉月が全部仕事をやったんだろう。
日直の仕事なんて知らねーけど。
日誌を葉月から奪うと、そこには綺麗な字で今日の授業の事とかが書かれていた。
葉月はマジメだ。
空欄になっている最後のスペース。
此処が書ければ部活に行ける。
早くバスケがしたい。
シャープペンを持って、その空欄にさっさと“今日のヒトコト”とやらを書いた。
「書けた。行く」
「私、職員室に持って行くよ?流川君、早く部活行きたいでしょ?」
鞄を持って、教室を出ると慌てて着いて来る葉月。
どうやらオレが早く部活に行きたいのもバレているらしい。
早く部活に行きたい。
早くバスケがしたい。
が、オレの中でムズムズしていた。
早く行っても、葉月はいない。
それが引っ掛かった。
「いい。見に来るだろ?」
振り向けば、小走りに着いて来る葉月が少し驚いていた。
「うん。でも私──」
「日直の礼。今日、オレを見ろ」