牧紳一=海南大附属高校三年生
   =男子バスケットボール部部長
   =四番 帝王
   =…………


何処で調べたのか、身長体重などのプロフィールが続いた。
出身中学から、何故か、去年のバレンタインチョコの数まで。


「ここまでは、公式を使えば誰でも解けるんだけど、ここ……」


解けるわけないだろ、と、牧の思考を過ぎったが情報発信者が数人思い付いて、止めた。
多分、ここまでに使った公式は、バスケ部の神と清田だろう。
まず、間違いなく。


さらさらと続くシャープペンシルの黒い文字。


“異性の好み=    ”


「…………」


無言の牧の反応をじっと見詰める葉月。


──これを解いて、どうするんだ?


牧もまた、一つの不確定な解答が頭を過ぎる。
この、問題の答えを。


「同じ公式は、使えないのか?」


苦し紛れに出したヒント。
そうだね、と、漏らして続いた文字は薄く“女性、可愛い、綺麗、優しい”など、無難な解答が書かれた。


「これだと、ニアミスになるでしょ?満点は、とれない」


一部、真面目、とか、理解がある、とか、ドキリとした解答も見られ、溜息が漏れそうになる。
多分、過去の彼女傾向と、ちらりと漏らした理想の女性の話から出た解答に違いない。



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