「オレもユーリがやらないって言ってたっスから何も……」


──何もパーティー用に食事を準備してないっス。


予想を反した二人の答えに、ハヅキはただ呆然とすることしか出来ない。


どうして誰もハロウィンに興味がないのか。
特に面白い事好きのスマイルから否定されるなど、想像もしなかったため、少しばかり……いや、かなり精神的にくる。


「どうして?去年はあんなに盛り上がってたのに」


その、あからさまにうなだれる態度にも、ユーリはお構いなしで淡々と理由を述べた。


「招待状や料理で準備が忙しいからな。去年はたまたま休暇と合って可能だったが、今年はそんな余裕もなかっただろう?」


確かについ先日までDeuilはライブツアー真っ只中だった。
大成功をおさめたライブツアーと比例するように、ここ最近、メンバーの休暇は全く無く、彼等が城に帰って来た記憶は一体何日前だっただろうか。


忙しかった事実を否定するつもりはない。
だが、だからといってハロウィンごと取り止めにしなくとも。



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