葉月は普段は歳に似合わず、わりとクールで落ち着いたイメージの女性だ。
大抵の事には一々驚いたりせず、すんなりと受け入れる所も彼女の魅力のひとつ。
迷惑をかけたり問題を起こしたり、心配をかけたりしない、言わば良い子ちゃんである。


そんな良い子である葉月が激怒となれば、当然原因は相手にあるだろう。
だが。


今回に限っては全くその相手──ヨザックに原因が見られないのである。


「グリエは一体何をしたんだ!?」


「いや、俺に聞かれても」


会議室でまさかこんな事件が起こるとは、本当に誰も予想がつかなかった。
グルリと見渡せるように配置されたテーブルと設置された椅子。
一部魔王専用の椅子にはギミックとして、捕獲装置が内蔵されているが、ともかくそれを抜けば正式に会談としても利用される部屋。


勿論、先程まで有利には九割理解出来ない様な政治や政策について会議していた所だ。
そんな所に、珍しくノックも無しに入室した葉月は皆の静止も聞かず、真っ直ぐヨザックの所までズカズカと歩き──


今の状況に至るのである。



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