しがり、寒がり
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※友達 の続き

あぁ、どうしてこんなことになったんだろうか。目の前で、今まで見たことがないような甘い顔で微笑む親友に気づかれないよう、そっとため息をついた。

今日は、や、もう昨日か。とりあえず、3年の旅を終えて木の葉の里に帰ってきたオレのために、(まあみんなも集まりたかったんだろうけど)同期のみんなが昨日は飲み会を開いてくれた。その後、サスケにサスケの家に連れ込まれ、居間で熱い告白をうけた。そしてなぜかちゅーされそうになった。←今ここ

「…手、どけろ」
「や、だってばよ…!」

居間の畳に寝転がってたオレに覆いかぶさるように顔を近づけてきた、サスケのお綺麗な顔とオレのかっこいー顔の間に片手を差し込んで、どうにかちゅーを阻止する。サスケの鼻から口くらいまでにかけてを片手で押し上げ、う、うわ!こ、こいつ…なななななななめやがった…!
ばっと手を抱えて体を起こす。そのときサスケとアタマがぶつかって目の前がチカチカしたけれど、冷えた足の裏がすぐにそれを吹き飛ばした。

「いってぇな、この石頭が!」
「へ、へん!羨ましいだろバーカ!」
「羨ましいわけねーだろウスラトンカチ!」
「だっからウスラトンカチはやめろってばよ!」
「あァ?ウスラトンカチってのはな…!っと、ちげェ、」

げ、冷静さを取り戻しやがった!
はっとしたように、前髪をかきあげたサスケが、じりじりと詰め寄ってくる。慌てて、かじかんだ足を動かして後退す、るっ?!

ドタッと音がして、後頭部に衝撃が走った。目の前がチカチカして、視界はサスケと天井でいっぱいになる。…こいつ、足首掴んで思いっきり引っ張りやがった…!

「…逃げんな、ナルトォ…」

視界いっぱいに広がるサスケは、目元とほっぺたがちょっと紅くなってて、正直、サクラちゃんよりも色っぽかった。眉間に皺寄せて(それはいつもだってば)、苦しそうに眼を細めたサスケは、何回も狂ったようにおれの名前を呼んだ。

「ナルト、なると、俺のこと、好きなんだろう、なぁ、ナルト」
「…な、わけ、」
「…ナルト、なんで、言ってくれないんだ、なァ、ナルト、」

やめろ、やめろってばよ。おれは男で、サスケだってきれーな顔してっけど、おれより立派なモンがついてて。そんで、おれたちはただのライバルだ。おれだって、そうとしか、だって、

「…ナルト、」


だって、いつかこいつは、

「…ナルト」

全部棄てて行くんだ。
おれも、サクラちゃんも、カカシ先生も、同期のみんなも、里だって。…それと、たくさんの思い出も。全部、なにもかも。こいつのこの実力で、上忍になってないのがその証拠だ。

「…ナルト…ナルト、」

そうしておれは失うんだ。この、こっちが狂ってしまいそうになる温度の高い声も、対称的にひんやりと冷たいこいつのてのひらも。

だったらそんなもの、最初から欲しくない。こいつは、おれに二人の温かさを教えて、そうして奪うんだ。二人で一緒に眠りについたときに奪った毛布みたいに。

「…ナルト、」

…それでも、おれは、

「サスケ、おれは」

いっときの温もりと分かっていても、その毛布が欲しかった。
奪われたときに、自分がどんな寒い想いをすると分かっていても。


もう一回、綻んだ笑みのサスケが下りてきた。



end.
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121019
なんとなーく不完全燃焼…。
独り善がりなサスケと
やっぱりサスケが好きなナルト。
途中で制作に間が空いたのでなんかちぐはぐだ…笑





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