※恋人設定 月すらも雲で隠れてしまっている中、二人を照らすのはゆらゆらと揺れるランプの光のみであった。 一人分のベットの上に2人で腰掛ける。闇の中のナマエの髪をリヴァイは慈しむように撫で、絡めた。 ナマエはその行為を受け入れながら甘えるようにリヴァイに寄りかかる。 なんとも幸せそうな風景であるが、二人の背負っている現実はそんな甘いだけのものではなかった。 明日ーーもう日付は変わったので今日になるが、リヴァイは壁外調査に行くのである。 それは仕事であり、仕方のないことである。それを理解しているナマエは「行かないで」なんて言わないし、明日のために早い睡眠が一番だとわかっていた。 それなのに、だ。 今ナマエは朝が来ないで欲しいとわがままだった。出来るだけ夜をリヴァイと過ごしたかった。 リヴァイの実力はわかっているつもりだし、自分の恋人を信じたい気持ちもある。 けれどナマエの心を襲うのはどうしよもない未来への不安だった。 (…もしも、これが最後になったら) 縁起でもない事は考えたくないのだが、それは現代ではありえる未来で。 嫌な妄想は育ちはじめると止まらなくなるので、必死にやめようと心で自分に言い聞かせる。 安心を求め、自分の髪で遊ぶ手を掴んだ。そのまま自分の顔まで持っていき、縋るように頬ずりをする。 どんな瞳でリヴァイを見ればいいかわからず、出来るだけ自然な動作を演じ、目はとじた。 「ナマエよ…何考えてんだ」 それでもリヴァイはお見透視なのか空いている方の手を使いナマエの背を撫でる。 それが酷く優しくてナマエは鼻の奥が熱くなるのを感じた。 あぁ、どうか どうか失いませんように。 「リヴァイ、明日壁外調査よね。」 「あぁ、そうだ。」 淡々と言うリヴァイにナマエは少々勢いの強いキスをする。 突然押し付けられた唇にリヴァイの体は少し傾いたが、流石は彼といえよう、すぐさまバランスをとって、その行為を受け入れた。 ナマエは普段にはないような大胆さを見せ、少し乾燥しているリヴァイの唇を舐める。 そうして小さく開かれる唇を確認すると、ゆっくりと少しずつ、息を吹き込んだ。 予想外の行為にリヴァイは驚くも取り乱しはせず、大人しく受け入れる。 暫くして満足したのかナマエは唇を離し、リヴァイを見つめる。少し濡れた彼の唇をなぞりながら、小さく言った。 「私の魂半分をあげたの。」 「は?」 「だから死なないでね。」 そう言うとリヴァイは一瞬考えて、理解したのかふっと口元を歪めた。 「じゃあ俺の半分をお前にやろう」 そして塞がれるナマエの唇。 それは先程より少し激しく荒い行為に思える。 リヴァイの舌は味わうようにナマエの唇を舐め、怯んで逃げるその舌をいとも簡単にすくいとり、深く絡める。 息を送ると共にナマエの口内には唾液が入ってきて、飲みきれないものがくちはしから垂れた。 散々暴れてリヴァイが満たされた頃にはナマエの息はあがり、疲れてしまっていて、そのせいか我慢していた眠気が襲ってくる。 「もう寝ろ。」 「…うん。」 ランプの火を消して、二人で横になる。手はどちらからとも言えずに繋がり、指を絡めあった。 胸に彼の偉大な魂を感じながら、私はそっと目を閉じて夢の中へ旅立つ。 君の半分は私で出来ている |