今を輝くアイドル、ロックベーシスト黒崎蘭丸は、私の自慢の彼氏です。



「えへへ蘭丸先輩おかえりー!」
「おう、ただいま。」



蘭丸先輩の家で一緒に暮らすことになった私達。
今日は私の仕事もオフで蘭丸先輩も午後がオフなのでいつもあまりできないお出迎えをする。


「ら、蘭丸せんぱ、」
「おら、顔背けんな」
「…ん、…」



蘭丸先輩は意外と愛情表現はしっかりする人である。行ってきますの瞬間、私が寝ていても起きていても普通にキスをしていくし、ただいまのキスもまた然りである。

私はそれが……蘭丸先輩の愛情表現が嬉しくて。そりゃあもちろん恥ずかしいし、恥ずかしがってばっかもだけど。



「今日は蘭丸先輩のために私が料理の腕を振るいますよー!」
「おい、大丈夫なのか? 食えるもん作れよな。」
「もー!大丈夫ですよ!さすがに蘭丸先輩ほどとはいかなくても美味しいご飯作りますしー!」
「…はいはい、じゃ楽しみにしてっから」



呆れながら言う先輩に、こういうやりとりをできる幸せに、いつも胸がいっぱいになる。


「へへ、」
「んだよ、いきなり笑いだして気持ちわりぃ」
「蘭丸先輩だーいすき!ちゅー!」
「さっきまで恥ずかしがってたくせしてよく言うぜ」
「えへ、まあ私の場合口だけですから…っん、」
「…ん」
「…あ、あの…じ、冗談で、そのっ…ただの言葉の愛情表現というか、」
「…自分から誘っといてこんくらいで照れんな馬鹿」


私は恥ずかしくて愛情を言葉でしか表せない、口だけの奴なのだ。というか言葉でなら恥ずかしいことだって言えてしまうのにどうしても行動に移せない。
でもそんな私のことを知ってる先輩はたまにこうして私の言ったことを本当にしてくる。


「口だけじゃなく態度で示せ」が蘭丸先輩のモットーではあるけどこればかりは無理だ。
蘭丸先輩も最初の頃はこんな私に苛立ってたいた。
けど蘭丸先輩と一緒にいるうちににお前が出来ねえ分は俺がする、と言って頂き、私は言葉での愛情表現をする私と態度で愛情表現をする蘭丸先輩でバランスが取れている、と勝手に嬉しくなった。




「…蘭丸先輩のすけべー」
「はあ?てめぇふざけたこと言ってっともっと恥ずかしいことすんぞ」
「ひー!エロ魔神!私は今から愛しの彼氏様にご飯作るのー!」
「…ったく、お前が言うそのエロ魔神が彼氏様だろうが。早く始めねえと本気で喰っちまうぞ」
「はいはいっ!」


嶺二先輩曰く私達はバカップルという類いに属すると言われた。
でもそんなこと私も分かってる、だってこんなに先輩のこと大好きだから。いつも笑っていられるから。
バカでもなんでも先輩と一緒なら、幸せだから。




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