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不死身と夢

 面倒だ。なぜ人は夢を見るんだ。ああ、面倒くさい。眠れば死ぬし起きてても嫌な物ばかりだ。
 あまりにも現実的な「自分が死ぬ」夢。縁起のいい夢だなんて言われてるが、当の本人からすれば邪魔なだけ。
「夢ってな、リアルすぎると数日どっちが現実だかわからなくなるんだ」
 誰に言うでもなく紡がれる独り言。
「ある時はナイフで刺され、またある時は銃で撃たれる」
 ああ、呪いなんてのもあったなぁ。と、壊れたように呟いた。
 夢で死ぬ。夢で死んで目が覚めると生き返っている。不死身ってこんな感じなんだろうなーとぼんやり考えつつも、言葉は止まらない。
「どうして俺は殺される?何故俺が殺される?何故俺は死ななければならない?何故__」
 言葉を発し続けていた口はふと停止した。 
 ああ、何もかも
「面倒だ」


 考える事を放棄した脳内の大半はいつも通り睡眠欲に満たされ、再び眠り始めた。
 考える事が、一番面倒だ。

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