君に贈りたいたくさんの記憶

 お堂から出ると、夕方の空気がひんやりと肌を刺す。
「ひゃあ、外は寒いですねえ」
 たまらず自分の身体を抱くようにして名前がこぼすと、名前の後から出てきた利吉も、同じく寒そうに洟をすすった。
「本当だ、寒いな。まあ、お堂の中も大概底冷えしたけどね」
「人の使ってない建物って、どうしてあんなにもひんやりするんでしょうね?」
「冬の間はどこか会う場所を変えた方がいいかもな」
 そう言いつつ、利吉は「まあ歩いてるうちに体も温まるよ」と笑って名前の隣へと並んだ。
 短い秋もそろそろ終わりに差し掛かり、いよいよ本格的に冬の気配が感じられる季節である。名前の実習も始まり、利吉との逢瀬の頻度は下がったものの、顔を合わせればこうして誰の目も憚る必要のないお堂の中で、ふたりきりの時間を過ごすことができている。今日もまた、二週間ぶりに顔を合わせたっぷりとふたりきりの時間を堪能したところだった。
 今日の利吉は夜から仕事がある。しかしまだそう急ぐ時間でもないので、名前を忍術学園の門の前まで送っていくことにした。お堂から忍術学園までは半刻もかからない程度の距離だが、その短い時間でも極力一緒に居たいというのが、恋仲のふたりのささやかなわがままだ。
 と、歩き始めてすぐ、名前が「へっくち」とひとつ、小さなくしゃみを洩らした。名前のくしゃみに驚いたのか、鳥が一羽、遠くの空へと慌てて飛び立ってゆく。
「名前、そんな薄着で来たの?」
 名前の装いに目を遣り、利吉は問う。
「そうなんです。一応綿は入れてるんですけど」
 この時代、庶民の着物は夏と冬でそう大きく変わるものでもない。名前もまた、夏に着ていたのと同じ小袖に裏地を縫い付け、その中に綿を入れて着用していた。忍術学園まで戻れば学内で羽織る半纏もあるのだが、外に着ていくものはない。
 こういうとき、名前とは違い実家が裕福な娘たちが衿巻きなど巻いているのを見ると、何とも羨ましく思ったりもする。ただ飾るばかりの装飾品ならばなくても不便はないが、実用的な品となると途端に羨む気持ちがむくむくとわいてきてしまう。名前にだって実家から持参した防寒具があるにはあるのだが、それはもっと寒くなるまで出さないと決めている。
「首元が寒そうだな」
「言わないでくださいよう。余計に寒く感じてくるじゃないですか」
 そう言って、名前は亀のように首をすくめて見せた。
 今日も忙しい予定の中、無理矢理に時間を捻出して利吉と会っている。最低限の身支度は整えていても髪にまで気を回す余裕も時間もなく、忍術学園で高く結わえていたのをそのままに出てきていた。おかげで先ほどお堂を出てからというものずっと、北風が吹くたびにうなじを氷でなぞられているように寒い。
 そんな名前を見て、利吉はふと、懐からするりと布を取り出した。そして鼻の頭を赤くして利吉を見ている名前に、それをふわりと手渡す。
「いいものを貸してあげるよ」
 手渡されたその布を、名前は折りたたまれた状態から左右に開くように広げる。濃緑のその布には名前にも見覚えがあった。
「これ……頭巾、ですか?」
 名前の問いに利吉が頷く。名前が手渡されたそれは、利吉が忍び装束となるときに頭に巻いている平頭巾だった。懐に入れていたためか、まだ何となく利吉のぬくもりが残っている。
「衿巻きの代わりにね。そんなものでも巻いていたら少しはましだろ?」
「いえ、でも利吉さんがお仕事の時にお困りになるのでは」
「ちゃんと忍術学園の前で返してもらうから大丈夫だよ」
 そもそも利吉は忍び装束を纏っている時でも頭巾をしていないことも多い。だからないならないで困ることもないのだが、さすがに貸しっぱなしというわけにもいかない。だからひとまず、忍術学園に到着するまでの間、名前に貸し出しておくだけだ。
 ちなみに利吉も利吉で首回りがまったく寒くないわけではないのだが、そこはそこ、好いた女の前での見栄と、単純に男女の差、そして何よりプロの忍びとくノたまとの差である。ある程度の寒さならば利吉は平気で我慢がきく。
 しかし名前の心配は、利吉だって寒いだろうに自分が借りてしまってもいいのかというのとは別の所にあった。
「お借りしたとして、でも、洗ってお返ししなくていいんですか?」
「うん、別にいいよ。ここから学園までの距離に首に巻くだけだし」
 微妙に的外れなことを言う名前に、利吉は苦笑した。その顔を見て、名前もようやく納得したように「ありがとうございます」と微笑んだ。
 ちょっと間立ち止まり、名前は利吉に借りた頭巾を首に巻く。といっても本来その布の用途は頭巾であり、ただ首に巻くだけでは長さがかなり余ってしまう。うっかり地面に引きずってしまうことのないように、またおかしな位置に結び目を作って跡を残さないようにと、名前は頭巾をぐるぐると首に巻き付けた。
 首のまわりは随分と膨らんでしまったが、しかしおかげですぐに名前の首はぽかぽかと温かい。おかげで歩きながらでは暑いほどだ。
 けれど名前はぶかぶかの頭巾に鼻をうずめ、くふふと押し殺したように笑った。それに気付いた利吉が、
「ん? どうかしたの?」
 と名前に尋ねる。尋ねられた名前は、やはり笑顔を何とか堪えようとして、けれど堪えきれずににやにやとしてしまっている。
「いえ、頭巾から利吉さんのにおいがするなあと思って」
 心底嬉しそうに言う名前とは対照的に、言われた利吉は怪訝そうに眉をひそめた。
「ええ? ちゃんと洗ってるはずだけど……」
「そういうにおいじゃないですよ」
「じゃあ、どういうにおい?」
「なんでしょうねえ、安心するにおいというか、夜みたいなにおいというか、……あとは何か、木のにおいがする気もします」
「木?」
「木とか土とか、そういうにおい」
 歩きながら、名前はずっと頭巾に鼻をうずめている。利吉はしきりに自分の着物のにおいを嗅いで表情を曇らせていた。
 においについてはつい先日厄介な問題があったばかりだ。その記憶がまだ新しい今の利吉は、常以上に自分の纏うにおいというものに敏感になっていた。木や土のにおいというのであれば、たしかに忍びの仕事柄、長時間屋外で潜んでいる間にそういうにおいがついていたとしてもおかしくはない。が、やはりにおいがついているという時点で歓迎できるものではないことには変わりなかった。
 しかし名前はそんな利吉の心情にもかまわず、犬のようにふんふんと鼻を鳴らしている。
「利吉さんはプロの忍びでいらっしゃるから、においなんてほとんどしないんですけど、やっぱり近い距離でぎゅっとしていたりすると、あー利吉さんだなあ、っていうにおいがするといいますか。頭巾からはそういうにおいがします」
 そう言って名前は利吉との距離をわずかに縮める。利吉もまんざらではなく、そのまま名前の手をとると、慣れた手つきでするりと指を絡めた。互いの冷たい指先が、たちまち熱を共有し始める。
「そういう名前は、あんまり忍びらしくないにおいがするけどね」
 意趣返しのように言い返せば、名前は不安そうに利吉を見る。その表情がまた年齢よりもずっと幼く見え、利吉は噴き出した。
「な、なにもそんな不安げな顔をしなくても……」
「だって、利吉さんに『におう』なんて言われたらそりゃあ不安にもなりますよ」
「大丈夫、名前の言うところの『そういうにおいじゃない』だから」
 まだくすくすと笑いながら、それでも利吉は名前にじっと視線を注いだ。
 利吉が名前を抱きしめたり唇を重ねたりするとき、名前からふわりと香るのは、太陽のにおいと、食堂のにおいだ。アルバイトの後であれば甘いにおいがすることもあるが、いずれも年ごろの娘からにおう香というには、何とも所帯じみている。
 時々何かの香を焚き染めたにおいがうっすら香ることもあるが、それは恐らく同室の後輩・松が着物に香を焚き染めているのが移ったものだろう。くノたまといえど、休みの日には香のにおいを纏うこともある。
 いずれにせよ、香木もけして安価なものではない。だから名前とはあまり縁があるものではなく、名前につくのはどちらかといえば庶民じみたにおいばかりだった。そして利吉は、名前から香るそうした温かなにおいが好きだった。
 名前の言葉を真似するわけではないが、名前のにおいを感じると、利吉もやはりほっとする。そのにおいを感じることで、仕事の世界とはかけ離れた日常を感じることができる。
 においだけではない。今こうして握っている手の温もりも、利吉の耳に届くころころとした笑い声も、名前を構成する何もかも──名前が発する何もかもが、利吉の心をほっと落ち着かせる。仕事の合間を縫って名前に会いに来るのは、もちろん恋人の名前の顔を見たいからではあるが、一番は利吉自身が心を平らかな状態に戻すのに必要であるからだった。名前と過ごす時間は、利吉に本来の心の置き場所を教える。
 ──だからこそ、名前には「こっち側」には来ないでほしいわけだけど……。
 と、そんなことを考えていると、名前がふいに利吉の手をぎゅっと握った。それを合図に、利吉は一旦思考の蓋を閉じ、名前へと視線を向ける。
 利吉と目が合い、名前は小さく微笑む。手を握ることで、話したいことがあるのだという自分の意図が、無言のままでも伝わったことが嬉しいのだ。
「次のお仕事は長くかかりそうですか?」
 うきうきと弾んだ声で名前は尋ねる。つられて足取りまで軽くなり、名前の足元で落ち葉がくしゃりと音を立てた。
「どうだろうな……。予定では三日かそこらか……」
「あら。それじゃあ短期のお仕事なんですね」
「うん、予定はね。ただその後に少し長めの仕事が入りそうだから、その前にもう一度君に会いに来るよ」
「そうですか……」
 仕事の内容を聞くことはできないながら、利吉はこうして仕事に必要な時間を概算で出して教えてくれることが多い。時にはまったく読めないということもあるが、利吉のこの予想がそう大幅にずれるということは少なかった。利吉が長めというのであれば、実際に長くかかりそうな依頼なのだろう。
 弾んだ心が、一瞬にしてしゅうと萎む。
 しかし萎んだことを利吉に悟られまいと、名前は握った手に少しだけ力を込め、それからにっこりと笑って言った。
「では次──じゃなくて、次の次に会えるのは本格的に冬が始まった頃になりそうですねえ」
「そうだね。冬か……」
 名前の言葉に利吉が苦笑する。
「そろそろ母上から帰省しろって念が飛ばされてくる頃だ」
 毎年、年末年始にはできるだけ実家に帰るようにしている利吉だが、とはいえ忍びの忍務は変則的である。必ずしも氷ノ山の実家で年越しを迎えることができるとも限らない。
 ただでさえ冬の山は危険が多い。どうしても足が遠のくのは仕方がないことなのだが、そんなことを山の頂でひとり住まう母が許すはずもなく、毎年この時期になると帰省しろという念のような何かを、利吉はびびびと背筋に受信するのだった。
 ちなみに数年前に伝蔵に確認したところ、伝蔵も盆と暮れには同じものを感じるというから、この「念飛ばし」説はなかなか信ぴょう性がある。非科学的な話を嫌う利吉ですら、もしかしたらそういうこともあるのかもしれないと思うくらい、それほどまでに山田家の母は恐ろしいのだった。
「念ですか」
 いまいちピンとこないというような顔をしている名前に、利吉は真面目腐った顔で「そうだよ」と答える。
「文だと場合によっては読むのが遅れるからね。その点念はすごいよ、本当に背筋にゾクッとくる」
「それは最早呪術師の域なのでは」
「たしかにね。しかし母上ならばあるいは」
 そんな話をしているうちに、ふたりはそろそろ裏々山を抜けようというところまでやってきていた。お堂を出たばかりはまだようやく赤みがかってきていた空の色も、すでに紺に近い色に変わりつつある。大きな星がいくつか、青色と橙の境目のような空に輝きを放ち始めていた。
「……なんだか、離れ難いですね」
 歩きながら、ふと名前が呟く。
 ぽつりと言葉の粒を落とし転がしたようなその言葉は、おそらく名前もほとんど無意識に発したひとり言のようなものだろう。しかし利吉はそのひとり言を耳に留め、歩みを止めた。ふらふらと歩いていた名前の腕が、足を止めた利吉によって後ろに引かれる。
 驚いた名前が利吉の顔を見ると、利吉は困ったように笑っていた。
「離れがたいって、名前もそう思う? 実は私もなんだけど」
 照れくさそうに利吉が発した言葉に、名前はぱちくりとまばたきをした。
 利吉はこの後仕事が控えている。動き出すのは日を跨いでからという話だったから時間の余裕はあるものの、とはいえ利吉がこういうことを言いだすのは珍しいことだ。常の利吉は仕事に最善の状態で臨むため、仕事の前の逢瀬は手短に切り上げるようにしていた。
「離れがたいって、思いますよ」
 名前が小さく繰り返した。
 名前だって、普段はこの手のわがままは言わない。互いにプロと学生という身分差はあれど、それなりに忙しくしている身であることは共通している。だから最初に決めた時間以上にずるずると逢瀬を長引かせないというのは、ふたりの間での暗黙の了解だった。
 暫し、沈黙のとばりがふたりの間に下りる。視線は絡むことはなく、けれど互いに互いの言葉を待っている。
 吹き付ける夕方の風は冷たい。このまま幾らも突っ立ってはいられないことも分かっている。
 先に口火を切ったのは、名前の方だった。
「そういえばもう遅い時間になりつつありますし、わたし、おなかが減ってきたような気がします」
 何ともわざとらしい意思表明である。しかしわざとらしいだとかわざとらしくないだとか、そんなことはこの際取るに足らない些末なことでしかなかった。今この場において必要なのは、この後どうしたら少しでも長く一緒に居られるかの理由づけ、ただそれだけなのだ。それらしい理由さえつけることができるのならば、後のことは何だっていい。
 その証拠に、今まさに取ってつけたような名前の言葉に、利吉はひどく神妙な顔をして頷き「それもそうだ」と返した。
「私も空腹のような気がする。そうだ、たしか忍術学園に行くまでにうどん屋があったな」
「ありますね。それはそれは美味しいうどん屋さんですよ。折角ですから寄っていきましょうか」
「そうだね。暗くなっても私が送れば問題ないだろうし。だけど、その前に──」
 話がまとまったところで、利吉がおもむろに一歩足を踏み出した。それと同時に、握ったままにしていた名前の腕をぐいと思い切り引く。勢い名前は利吉の胸に飛び込むことになり、そのまますっぽり抱きすくめられた。
 咄嗟の事に「ひゃっ」と短い悲鳴を上げた名前をしかと受け止めて、利吉はそのまま名前の頬に、両手で包むように触れる。利吉の大きな手が、名前の頬から耳までを両側から押しつぶすように包み込んだ。
「あーあ、すっかり頬が冷たくなってしまってるよ」
 頬に触れたまま、指先を撫ぜるように動かして利吉が言う。
 利吉から借りた頭巾を衿巻き代わりにしているとはいえ、どうしても外気に触れている顔が冷たくなるのは仕方がないことである。先ほどまでは歩き通しだったためにぽかぽかと温まっていた身体も、ほんの束の間こうして足を止めていたことで再びすっかり冷えていた。
 頬にやさしく触れられ、名前は恥ずかしそうに視線を伏せる。利吉から触れられることにもだいぶ慣れつつあるとはいえ、それでもこうして前触れもなくやさしく触れられると、心臓がどきどきとしてどうにかなってしまいそうな気分になる。
 それでも、名前だっていつまでもやられっぱなしになっている娘ではない。
 すぐに視線を上げると、「えい」と掛け声と同時に利吉の鼻を軽くつまんだ。
「そんなこと言って、利吉さんの鼻だって、十分冷たいです」
「お。名前め、だんだんと生意気になってきたな」
 利吉が楽しそうににやりと笑う。
「そんな女の子には──、こうだ!」
 言うなり、利吉は思い切り名前の身体を抱きしめた。腕の中で抱きつぶそうかと言う勢いでぎゅうぎゅうと力を込めるので、抱きしめられた名前は子どものようにきゃあと声を上げる。
 利吉の腕の中の名前が暴れるのに合わせ、あっちにふらふら、こっちにふらふらしているのに、それでも転ばずにいられるのは利吉が名前に振り回されてやっているだけだからだ。
 暫くそうして利吉が名前を抱きつぶしたまま、ふらふらとくっついて遊んでいた。もちろん、人通りがない夕方の山道だからこその遣り取りだ。いくら名前が利吉との距離感に慣れつつあるとはいえ、人前となれば話は別である。今もしここにまったく見知らぬ人でも通ったとして、名前は恥ずかしすぎて絶命するに違いない。
 ひとしきり笑ったところで、利吉の腕の中におさまったままの名前が、
「でも、こうやってぎゅうぎゅうしてたら温かいですね」
 と、にこにこ笑って言った。利吉もやはり笑顔で、
「このまま団子屋まで行く?」
 と、悪戯っぽく返す。
「いやだ、人前でこんなことできません」
「じゃあほら、そろそろ歩き出すから名前から離して」
「利吉さんが先に離してください。そしたらわたしも離します」
「……」
「……」
 ふたりの視線が、じっと絡み合う。互いに半笑いのまま、それでもわざとらしくむっつりとした顔を作っている。
 今度は先に利吉が口を開いた。
「なんというか──、あれだな」
「あれって、どれですか?」
「すごく、こう……恥ずかしい感じだな……」
「えっ、そうですか!?」
 名前が驚いたように目を見開いた。雷にでも打たれたような衝撃的な顔を名前にされ、利吉の方が却って驚く。
「えっ、名前は恥ずかしくないのか。だっていつもは名前の方が恥ずかしがるのに」
「だって私はほら、口吸いとかのが恥ずかしいですし……。こうしてああでもないこうでもないって、取り留めない話をしているのは、恥ずかしいというより楽しいですね」
 大したことでもないと言うように名前が答えた。
 そもそも男性経験の少ない名前にとっては、直接的な触れあいの方がストレートに恥ずかしく、こうしてじゃれているだけならばそう恥ずかしくもない。逆に利吉は経験ばかりが豊富で、しかしその実、真に心通わせた女子との交際は名前がはじめてである。だから手をつなぐことや口吸い、あるいはそれ以上の行為に対する恥じらいはなくとも、こうした遣り取りには照れが生じる。
「見解の相違というやつだね」
「なるほど」
 互いの認識を確認しなおしたところで。
「じゃあ私から離すけど──、その前に」
 名前の顎に手をそえた利吉は、そのまま名前の顔を上に向かせる。その唇に口づけを落としてから、意気揚々と「じゃあ、行こうか」とにやりと笑った。


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