胎内温度氷点下三〇六度7分

初めて触れた唇は少し荒れていた

紙コップすりきり一杯分

潰れた蜜柑に指突き立てる

くたびれたプリーツを身に纏い、枝分かれしたブロンズを結い上げた聖少女。染めた朱は頬紅か否か。

風に乗ってアニーローリーが耳を掠める。伸びた影が果物屋の蜜柑を掠めていく。

白より黒より灰を愛したミューズ

先進的堕落論

モラル瓦解

クマの千切れた携帯ストラップ

布団依存症と炬燵症と蜜柑3つ

滑空する十六羽の雀

磨耗した呼吸器

笑っちゃう

睫毛はかわいいのに鼻毛は汚いってさ、どっちも短い毛じゃないか

誰も寄らないスーパーの一角にあるパン屋。
寒々とした季節に苺フェアの文字がどうも辺りにはまり込めていない。
午後7時を過ぎた。
白を纏う使者の手がラミネートされた値札の上に赤地にいち、ぜろ、ぜろの冷たい白を被せて行く。静かなパン展示会場であったはずのその場は今ではパン屋の姿をありありと見せつけてくる。
元値300円のおおきなメロンパンの半分を百円玉一枚で手にいれ、手提げのビニールを断り、凍てつき始めたアスファルトを景気よく踵でこつきながら帰路に戻る。

ポテトスナック菓子のなんと万人ウケすることよ

ぷぎゃあ/ざまあ/わろす

絆創膏はったげる

自己嫌悪に殺されるとき

ジェリービーンズ模様の曇天

ギルティーテディベアのサンディ首をなくす

擬音クラッシュパーティ

サイバーランデブー

愛情相性愛嬢

トライアングル鳴らすぐらいなら




爪先を痛めない程度の背伸びならかわいいものでしょ