それはあいのあかし



くしゅん、と控えめなくしゃみが聞こえたと思ったら、それが続けて3回。


「風邪ですか?気をつけてくださいよ」

くしゃみの主を見るとなぜかにやけている。

「青木さん、心配してくれるんですか?嬉しいなァ」
「別にそういう意味じゃないです…うつされたら困ります」
「はいはい分かりましたよ。それより知ってますか」
「何を」
「くしゃみ3回って、自分が好いてる相手から好かれてるって証拠なんですって」

試すように見つめてくる目が癪に障る。

「言っておくけど、僕は君が好きではないです」
「嫌だなぁ、誰がいつ青木さん好きだと言いましたか」

いっそう笑みを強くして手をひらひらと振る益田に苛立ちが募る。
こういうところが嫌いだ。

「にらまないでくださいよぉ、冗談ですって。僕は青木さんに首ったけですよ」

青木さんのお望みどおり、なんて続けるから思いきり睨んだ。
しかしごめんなさぁいと上目遣いをする彼に結局負けてしまうのだ。


首ったけなのはどっちなんだか。









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