乙女の悩み

※学生パロディ&ゴンが女体化してるのでご注意ください



「ねぇ、キルア」
「んー?」
「キルアもやっぱりさ、おっぱいが大きい女の子の方が好き?」
「ブッ!!」


家でのデート中。
ベッドの上で二人並んで寝転びながら一緒に漫画を読んでいたら、不意にゴンの口からそんな爆弾発言が飛び出して。
オレは思わず飲んでいたサイダーを盛大に吹き出すと、ゴンは『わ!ちょっと大丈夫!?』と背中をさすってくる。
大丈夫!?じゃねーよ誰のせいでムセてると思ってんだコラ。
オレは、自分が爆弾発言をかましたとも知らずキョトンと目を丸くさせているクソ可愛い彼女を、キッと鋭く睨み付けた。


「お、ま、え、は!なーんでいきなりそんなこと聞いてくんだよっ!」
「だ、だって…クラスの男子が言ってたんだもん。ゴンは胸も小さいし色気も無いから、付き合う男は大変だって」
「はぁ?」
「それに、今読んでる漫画に出てきた女の人も、おっぱい大きかったし」


なんだってクラスの野郎連中とそんな話に…つーかオレのゴンになんてこと言ってくれちゃってんの殺すかマジで。
それになんでゴンの胸が小さいって知ってんだよ見たのか?色気ねーとか何とか言って、興味無い素振りを見せておきながら、ちゃっかりしっかりゴンの胸元を見たのか?あ?目ん玉潰すか?

なんて、オレがバリバリ殺気を放ちながら考えているのもつゆ知らず、ゴンは自分の胸元を見下ろしながら、どこかしょんぼりと眉尻を下げている。
そんな、目の前で捨てられた小動物みたいな顔をされちまったら、フツフツと湧いてくる殺気も浄化されちまうじゃねーか。


「んで、お前はなんでそんな凹んでんだよ」
「う…」


ズバリ指摘すれば、ゴンはうぐぐと口籠もる。
そして、か細い声音でポツリポツリと言葉を続けた。


「だってさ、オレ、ただでさえ男勝りで、女の子らしいとこなんて何ひとつ無いのに、そのうえ胸まで小さいなんて、なんも良いとこ無いじゃん」
「な、」
「こんなんじゃ、いつかキルアに愛想尽かされたって仕方ないよ」
「待て待て待て」


いきなり話を飛躍させてきたゴンに、オレは途中でストップをかける。

全くこいつは、いつも元気いっぱいで自信に満ち溢れてるのに、こういう変なとこで不安になんのかな。
まあ、どうせそれもクラスの野郎が余計なこと言ったからなんだろうけど(やっぱり殺すか)。

オレはゴンと付き合ってから…いや、ゴンと出会ってから、んなつまんねーことただの一度も気にしたことねぇし、愛想尽かされるかなんてオレがいっつも思ってることだよ。
ゴンみたいな可愛い可愛い天使がオレなんかのことを好きで居てくれるってだけでも天地がひっくり返るくらいの奇跡なのに、それ以上何を望めっていうんだ。


「あのなぁ、ゴン」
「ん…?」
「オレはゴンに出会った時から、オレの世界はゴンが中心で、頭ん中は情けねーくらいゴンのことでいっぱいなんだよ」
「!」
「それは、ゴンの胸がでかかろうが小さかろうが変わんねぇって」


そこまで言うと、オレはゴンを背中から優しく抱き寄せる。
突然のことに、わっ!と驚きながら肩をすくめるゴンだが、オレがゴンの肩口に顔を埋めてゆっくり呼吸すると、やがて安心したのか力を抜いてオレに体を預けた。
そろりと両手を伸ばしてオレの腕にギュッと抱き着くゴンに、オレはギューンと押し寄せてくる何かで胸がいっぱいになる。

ほんっとにコイツは、可愛すぎかっ!
これで愛想を尽かすとか逆に無理だろ、離したくねぇわっ!


「ありがとう、キルア」
「なんのありがとうだよ」
「オレのこと好きになってくれて」
「…アホ」
「オレもね、キルアが大好き」
「〜っ、ああもうっ!」



何だかもういろいろと堪え切れなくて、ゴンの顔を自分の方へと向けさせると、化粧も何も余計なもんが付いてない綺麗で柔らかな唇を、自分のそれで少し強引に塞いだ。

ちゅ、と音を立てて離すと、ゴンは『ふへへ』とはにかむように笑う。


誰よりも何よりも、愛おしい笑顔。








「…つーかさぁ、ゴン」
「うん?」
「確か胸ってさ、揉んだら大きくなるんじゃなかったっけ?」
「へ?そ、そうなの?」
「そしたらオレがゴンの胸揉んで大きくすりゃ良いじゃん」
「ひゃっ!あっ、も、ちょっ、キルアのバカーッ!」




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