これは愛じゃない、ただの復讐
(ドンヘ)



『好きです、付き合ってください!』

アタシの人生初の告白。


「ごめん。俺、お前みたいなデブ興味ないんだ」




アタシの頑張りを一瞬にして踏みにじった男。

一生忘れもしない。
忘れたくても忘れられない男の顔。


アタシはその男に復讐する為だけに
一生懸命ダイエットしたり、一生懸命ダンスと歌を頑張った。


そして今─。



「今週の1位は名前(カタカナ推奨)さんです!おめでとうございます!」


アタシは輝かしい歌手生活を送っている。



「2位のSUPER JUNIORに大差をつけての1位!凄いですね」

『ありがとうございます』


それはもう、あの時アタシを見下したあの男より上に立てるほど輝かしい。




収録が終われば楽屋に他のアーティストたちが遊びに来たりする。


「名前(カタカナ推奨)さん、おめでとうございます」

そう爽やかに楽屋に入って来たのはアタシの憎む相手、ドンヘ。


両手に収まりきらないほどの大量の薔薇の花束を抱えアタシに渡すドンヘは、きっとアタシがあの名前(カタカナ推奨)だとはわかっていないだろう。


『ありがとうございます』

アタシも知らぬ顔でお礼を言う。


「今夜、空いてませんか?よかったらお食事行きません?」


これは復讐するのに絶好のチャンス。


『いいですよ』

笑顔でそう返せば、

「じゃあ、支度したらまた来ますね」

爽やかな笑顔で楽屋を出ていった。


あの時した、アタシを汚いゴミを見るかのような表情とは全く違う、爽やかな顔。



整形なんかしてないのに、顔は昔よりは膨らみは薄れたけどそのまま。

だけど、貴方にとってのアタシのイメージはデブだということだけ。

アタシは貴方の顔を見るだけでも憎くて仕方なかったのに、貴方はアタシの顔なんか覚えていない。



 


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