2013新年小説(竹くく/現パロ)


「ま、ぶし…」


まぶたを照らした眩しさにゆっくりと目を開けば、窓から差し込む朝日が部屋の中を照らしていた。

数回まばたきをしてから周りを見回せば、そこには軽く毛布をかけただけでスヤスヤと眠る友人3人の姿があり、更に大晦日の昨日騒ぎながら年を越した残りとでもいうように、あちこちにお酒の缶やつまみのパッケージが散乱している。


重たい体を起こしながらもう一度部屋を見回し、部屋の主であるはっちゃんが居ないことに首を傾げれば、ぎしっと鈍く廊下を踏む音が響き、やがてジャケットを羽織り寒さに鼻を赤くしたはっちゃんが部屋へと入ってきた。


「おっ、兵助起きたのか」

「うん、はっちゃんは…コンビニ?」


彼が手に持つコンビニの袋が目に入り頭を傾げれば、「あぁ」と中に入っていた二日酔いのためのドリンクを手にとって見せた。


「買ってきてくれたんだ」


彼の優しさに笑みを浮かべながら言えば、はっちゃんは照れたように「まぁ…な」と頭を掻いたあと、「温かいものでも飲むか?」とキッチンへと足を向ける。

その後ろ姿を見送りながら、自分も掛けていた毛布を肩に掛け直してから立ち上がると、そっとキッチンの方へと足を進めた。

キッチンの中に入ると、ちょうどマグカップを台に置いたはっちゃんが居たのでその大きな背中にガバッと抱きつくと、「うわっ」と慌てたはっちゃんの声が響く。

「兵助…、びっくりしただろ」

「ん、なんかはっちゃんの背中見たら抱き付きたくなっちゃった」

「抱き付きたくなったってな…、まぁ、えっと…」


照れたような声を出して、反論出来ないのか口ごもるはっちゃんにクスッと笑みを浮かべてから、頭をそっとはっちゃんの背中にコツンと当てると、そのまま小さく呟いた。


「あけましておめでとう、今年も隣に居させてね」


言い終わってから少し間が空いたかと思うと、前に回していたおれの手にはっちゃんの手が重なり、手が温もりに包まれる。


「あけましておめでとう、今年も俺の隣に居てください」


言葉を言い終えた所ではっちゃんが向きを変えると、今度は正面からおれを抱きしめてくれる。

それから互いに視線を合わせて笑みを浮かべ、もう一度2人で同時に呟いた。


「「今年もたくさん一緒に居よう(ね)」」



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