ふぉろー みー だうん. ふぉろー みー だうん.
何このレベル底辺な世界。
いや底辺は流石に失礼か、だが別にある程度ある技術力に対しての認識ではない。
訳の分からない石なんかに刻まれた預言なんかにどっぷり嵌まりきっている国自体に対しての認識だ。

そもそも国が世界に三つしかないというのも可笑しな話だし、その内の二つが敵対していて残りの中立を掲げている宗教国ダアトはこの世界に預言を蔓延らせている元凶。
マルクトという国はまだ王がまともで預言に頼りきっているというわけではないのだが、キムラスカはダメだ。人の一生は愚かその日の食事の内容まで預言に頼り切るほどの傾倒振り。
ハッキリ言って吐き気がするほど気持ちが悪い。
自分で考えないで昔に死んでしまった人間の言いなりとか、キムラスカの国民には自分の意思で物事を決められないのか。

まあ極端に言いすぎかもしれないが、この方預言なんてモノは知らぬ存ぜぬむしろ嫌悪してやってきた此方に俺に対して、キムラスカの国民は人ではないというような眼差しを向けてくるから別に構いやしないだろう。

そんな相手に技術力が劣るからって頭下げて機械などの開発を頼む面々を見る度に笑いが込み上げて来る。



カプセルコーポレーションでそれなりの地位に居た科学者だった俺は、多分実験の爆発で死んだんだと思う。多分。いや、分からないけど。
とりあえず記憶そのまま目が覚めたらこのキムラスカで生まれて育ってたわけだ。
両親親戚とも勿論キムラスカ人で預言に浸りきってる人たち。
胡散臭すぎて預言を馬鹿にした俺に対して目を向いて怒鳴り散らして、家族の中で一人だけ孤立させられていたけれど、その頃にはコッチの世界でホイポイカプセルとか作れてた俺的には問題なし。ブリーフ博士あざーす。博士の発明品のお蔭で死の……なんだっけ?そもそも死とかなんか物騒なの付いてたのしか覚えてないや。とりあえずマルクトに居るらしい人の偉業すら塗り替えて世界最年少でキムラスカ一、いや世界一の科学者に躍り出た俺は、一応キムラスカ王家専属の技術者。らしい。
敵国にといってもマルクトかダアトしかないけど、外に俺が出てくとマズいし殺すと俺の開発できるモノ全てが出来ないから飼い慣らすしかないらしいけど、そんな上から目線で言われたって、ねぇ?俺的には金は勝手に支援してくれるから好き勝手開発してますよ。てだけで、キムラスカに貢献する気はゼロ。

あぁ、赤い髪の坊ちゃん、ルークっていうんだけどそのルーク坊ちゃんだけは俺の作り出す数多の発明品をガラクタと鼻で笑わずにキラキラした眼差しでスッゲー!と素直に褒めてくれたからアイツには協力しても良いと思う。


というわけで俺と似た様な研究馬鹿な連中集めて作った中身の入ったホイポイカプセルを幾つかと、空のホイポイカプセルに道中絡んできたルーク坊ちゃん激似なトサカ捕まえて、意気込んで出かけていったルーク坊ちゃん率いる一行に同行している最中。
嫉妬なのか何なのか分からないけどマルクト皇帝の右腕とかがネチネチ嫌味言ってきてマジウザい。その同行者や自称ルーク坊ちゃんの育ての親も無責任すぎて煩いし、何この劣悪環境。導師もアクゼリュスまでの道のり云々じゃなくて対人環境の悪さに精神面から不調来たしてるし、それなのにルーク坊ちゃんの横暴さが悪いと囃し立てる面々にいい加減痺れ切らした俺は、俺・ルーク坊ちゃん・導師の三人でエアカー(4人乗り)に乗って、皆が寝静まった頃合を見計らって先にアクゼリュス着ました。


でもってでもって、ホイポイカプセルから大型のエアカー×10台出して、住人押し込んで、医療ロボットも出して体調不良起こしてる面々の治療にエアカー内で行ってアクゼリュスとはバイバイ。
あ、預言ではルーク坊ちゃんが居なきゃいけないんだろ?ってんで、激似なトサカを一人置き去りにして脱出しました。
導師もルーク坊ちゃんもアクゼリュスの面々も満面の笑顔だし、これって円満解決だよな?



「というわけでブルマさん、こっちから二人ほど連れ帰っても大丈夫ですか?」

『何が「というわけで」よ!!生きていたならもっと早くに連絡入れなさい!!』


ウチの会社で死人出しちゃったかと思ったじゃない!!何人でも連れ帰って来て良いから早く帰ってきなさい!アンタ居ないと今のプロジェクトが次の開発段階に進まないでしょ!


いや、確かに一度死んでまた生まれ変わった状態なのが今なんですけど……と言ったところで姿形が一緒の為、世界を跨いで通信しているブルマには理解されない。
爆発で死んだのは多分確定だと思う。体も残らない程だったんだろう。
でも体が残っていない所為でブルマさんは俺が死んだんじゃなくて他の世界、時空にトリップしたんだと思ったみたいだ。
口では勝手な事言っているけれどテレビ電話で話している状態なので、ブルマさんが安堵で涙を目に浮べている様子が丸分かり。この人も心配してくれたんだなー。て思っていれば、後ろからお声が。


「おーい、まだなのか?」

「だから待てって。はい、はいっ、後30分程度で其方に向かう積りですから、はい、分かってます」


転送機械に入っているルーク坊ちゃんは待ちきれないみたいで何度も何度も俺に尋ねてくる。それを導師が隣で楽しそうにしている。
ブルマさんとの通話を終えて俺は急かして来るルークを宥めつつ用意に入ると、やっとか〜。と感慨深げにルーク坊ちゃんは言った。いや、それは俺の台詞です。


こうして無事に元の世界へ帰れたわけだけれど、帰ってきた俺と同行者2人を待ち構えていたのはブルマさん率いる開発メンバーで……俺の不在の所為でプロジェクト停止してんの分かってるけど、2人はブルマさん宅で休むことになってんのに、なんで俺だけ即開発室……此処のところ俺働き過ぎじゃありません?


「何言ってんのよ!アンタ居ない間にコッチも大変だったんだからね!セルとかいうのに地球滅ぼされそうになったんだから!」


なんすか、それ?

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海渡さんから100000hit企画第二弾!またも素敵な小説頂いてきました!
うはっ!何これ!主人公が素敵過ぎる!そして二人を連れて帰っちゃうんですね。可愛らしい二人にもきゅんきゅん。
その後の彼らとその後のTOAの世界を思わず想像したくなっちゃいました(笑)

海渡さん、素敵な小説本当にありがとうございました。

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