あ、あれ、かわいいぞ。なんか、俺の友人がすごいかわいいぞ。緒川が恐る恐る上原の肩を抱き寄せると、それに応えるようにぎゅっとその袖を掴み返してきたのだった。かわいい、うん、かわいい、超可愛い。緒川は堪らず女子高生ルックの上原を思いきり抱き寄せた。

「ちょ、ちょっ! ペー、痛いってば」

 上原が怒鳴りながら、緒川のスネめがけて鋭い蹴りを飛ばしてきた。いやいや、見た目は完全に女子っぽい癖にこいつが結構力があるのだから。普通に痛いし、当然怯む。そりゃあ日頃は父親に蹴られ殴られ飛ばされ、受け身を取りながらヒーヒーと痛い思いをしてはいるしそれに比べりゃあマシなんだろうけれども。

「ご――ごめん、はい、で、できるだけ暴走しませんようにしたいとは思うのですけれども、その」

 何なんだ、この敬語は。いやいや、一応嫌がられたら犯罪な事くらいは承知だし、流石にそこまで童貞じゃないし、ちょっと今触ろうとしたけどまだ空中だからセーフだ!……悶々としていると上原はこくこくとその顔を頷かせて(どうでもいいが上原は超小顔だ。明歩が前、『上原君の隣は歩きたくなぁーい』と言っていた事を思い出す。女子は何かそういうの気にするよなー。とかその時は思ったけど、ああ、確かにこれは何か嫌かもしれない。俺、はじめて明歩の気持ち理解した)、それから続けた。

「うん。……うん、分かってるけどさ。でもやめるのは絶対駄目。……それは悲しい。すごく悲しいじゃん……ぺ、ぺーなら怖くないからさ……不安だけど」
「意味一緒じゃないか、それ」
「ううん。違う。多分。ぺーが優しいのは俺は十分知ってるし。いつも俺の事助けてくれるでしょ、お礼ってわけじゃないけど。今くらいは好きな事していいよ」

 たどたどしく言いながら上原はチェックのプリーツスカートの裾に手をやった。どうでもいいけど、今更ながらこれ着せた女子マジでグッジョブすぎると緒川くんったらニヤついちゃ駄目なのにニヤニヤしてしまった。多分だけど、今すごく気持ち悪い笑顔になっている。

「……ちょっとだけ、な。恥ずかしいけど……」 

 自分から見せるのはやっぱり抵抗があるのか、控えめにそれを持ち上げつつ、上原はやんわりと微笑んだ。チラッと見える下着もバッチリ女子のそれなのが計算高い気もするが、ともかく、ともかくだ。――イヤン、ものすごくエロイ光景だわ……! それから上原は、ゆっくりと手を伸ばしたかと思うと、一つ接吻してきた。

「ん……、んん、ッ」

 上手なのか下手なのか緒川にはよく分からないのだけど、決して強引ではなく、むしろ優しいキスだった。焦らすようなキスにこのままでは愛してしまう! 助けてくれ明歩! と緒川は見えない神に懇願するように絶叫した。いや、心の中で。アタックチャーンス、と心の中の児玉清がガッツポを決めようとした――その瞬間である。

「ねえ。ぺー、一個だけいい? ヤラせてあげる代わりに俺のお願い聞いて」
「ふぇっ、な、なんでしょうか」
「おっぱい揉みたいんだよね、俺。健全な高校生なら誰でも思う事だと思うけど、そうした方が気持ちが俄然乗ってくるんだけど」

 上原が可愛い笑顔とネコナデ声でそう告げてから、まんまるの瞳で緒川を見据えた。目ぇでけえなこいつ、と改めて彼の眼球に映った自分の呆然とした顔を眺める緒川。……いやいやいやいや。

「そ、それはまさか俺に頼んでいるのか……」
「あ゛ー。おっぱい触りてえなあ〜〜〜、何かいいのないかなー」

 ヤクザや……やり口が完全にヤクザのやつや……チンピラには強い筈の緒川君もこんなに可愛い悪党に言い寄られてはたまったもんじゃない。緒川はぷるぷると唇をわななかせつつ、負けを認めるように胸筋を差し出したのであった……!

「う、上原さん……? それでしたらここに丁度手頃なのがございますけど……」
「そのまま揉むのも何か芸がないよな。そーだ、これ着けてみて」

 次から次へと何でそういう事を閃くのかまるで分からないが、上原は制服のブラウス、第二ボタンまでをそっと開けると胸元を覗かせつつニッと笑った。微妙に見えるピンクのフリル、小さくあしらわれたリボン――お前まさか上下共に!? しかもホワイト、そこまで女装に気合い入れなくていいじゃないか! と、緒川は攻めすぎな親友に完全に敗北を認めた。腕っぷしでは勝てないからってそういう方向性で勝とうとしなくてもいいじゃないっすか。

「ブラしてない男の乳なんか揉む価値ねえって俺の中で決まってんだよね」
「お前の趣味なんぞ知らんわ! 何でそんなマニアックな所まで上原の好みに合わせなくちゃならねーんだ!」
「何それ。じゃ、俺このまま帰ろっかなー? 泣きながら『ぺーに乱暴されそうになった』って言いふらすし」
「そ、それはやめろ馬鹿……」

 割と本気でシャレにならないので勘弁してほしい、と緒川が訴えると、上原は言うが早いかするするとブラジャーを外して差し出してきた。

「じゃ、出来るよね? 付け方分かる? 学ランのホックと同じだよ」

 完全に足元見てやがるこの野郎!……と、出かかった言葉を飲み込んだのち、緒川くん人生初の女性モノ下着を身に着ける。制服のシャツをはだけさせつつ、緒川はずーんと沈んだ顔で無理やりに声を絞り出した。

「ど、ど、どうぞ、揉むなりなんなり」
「わぁい。ぺーってばいい子ー。後でたっぷり抜いてあげるね〜。……何か表情硬いよ、ぺー? まあ俺のチンポも硬くなっているのでおあいこという事で」 

――お父さん。お母さん。明歩。俺、もうお嫁に行けない……

 じゃあ揉ませていただきます、とばかりに上原がブラ越しの♂乳を鷲掴みにしてきた。ええ乳しとるやんけええ乳しとるやんけええ乳しとるやんけええ乳しとるやんけええ乳しとるやんけええ乳しとるやんけええ乳しと、

「っ、ちょ、上原、も・もうヤメ、……ン、……んっぅ」
「あはっ。ぺーったら顔真っ赤にして、かぁわいいー。女の子みたいな反応してるぅ〜。たーのしー」

 男って。
 男って。……男、っ、て……。

 


------
ところで楽しいのかなぁ♪ このプレイって♪
そういえばロメロ監督に続いて
トビーフーパー監督も亡くなられたのよ……
ほんとホラー映画界の巨匠が次々……悲しい。
悪魔のいけにえの監督ね、
レザーフェイスの出てくる。
ホラよくジェイソンがチェーンソー使うと
勘違いしてる人多いけど、レザーフェイスと
みんな混ぜてるの!! ジェイソンあいつまじ
チェーンソー使った事過去一度もねえから!
追悼で見直したいなぁ、悪魔のいけにえ。
2は何かバカ映画なんだけど、1は普通にキモイです。
グロいシーンはないけどとにかくキモイデス……

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -