おま毛


その2

「お、おいしい」

 見た目もそうなら味も絶品なオムライスにセラは感激の声を漏らす。

「ホントにこれ作ったの?」
「え、いや、横で見てたでしょ」
「そ、そうなんだけど……」

 ツッコミを入れておくとセラは再びスプーンを手にオムライスにがっつきはじめた。急くあまり咳き込みつつもそれを頬張る姿は、彼の小柄さもあいまってか何かリスとかハムスターの小動物を彷彿とさせる。

「そんなに焦らなくても逃げないぞ、料理は」

 で、対するメイドさん製作のオムライスはと言うと。

「……あれ、結構いける」
「嘘!?」

 一番驚いているのは作った張本人のセラで、とっても目を丸くさせていた。

「いやホントに。あ、でもチーズかけたらもっと美味しくなりそうな予感……」

 言いながらチーズとマヨネーズを持ってくる創介を見て、セラも何かを察知したらしい。

「……優しいな、お前……」
「それが取り柄ですから」





 
その2

「お風呂沸いたけど、入る?」

 お風呂掃除を終え、風呂が沸く間に洗濯物。料理はちと手間取ったがそれ以外は大丈夫だ、抜かりは無い。それから、セラが創介を呼びに来ると創介は漫画を置いて顔を上げた。

「入る!」
「じゃ、どうぞ」
「え、どうぞって」
「? 何が?」
「一緒に入らないの?」
「はぁ!?」

 半分冗談のつもりだったが、ちっちゃなメイドさんことセラの顔はもうひとっ風呂浴びた後のようにまっかっかである。

「なな、何でお前と僕が!?」
「だってご奉仕してくれるんなら背中とか流してくれないの? そういうオプションとか」
「……、し、仕事ならやるけど」

 で、やっぱり真剣にそうやって答えてくれるのだから可笑しいったら。
 



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