彼女の戦い方は力強い。でも荒々しい訳でもなく、的確に相手の急所を狙う。冷静な戦い方。正直本気で戦ったら、俺負けると思う。
彼女の名前はリース。アマゾネスという女戦士が住むローラントの王女で、共通の目的をもつ俺の仲間。お国の事情でわだかまりはあるものの、今は互いに納得して一緒にいる。

俺は女の扱いが得意なことが自慢だった。けど、リースはちょっと例外。そもそも女戦士っていうのが初めてだし、普通の女の子とは違うんだ。どうやって接したらいいのか手さぐり状態。
そういえば、こんなことがあった。戦いの時、俺が率先してモンスターを倒してみた。やっぱり女の子を怪我させたら嫌だし。ここは男の見せ場だろ。けど、言うことが…
「今の私が倒せたのに…」
「いや、リース女の子だし、無理しなくていいよ」
「…私はアマゾネスですから」
だから女の子扱いはしなくていいんですとでも言いたそうな顔をする。顔は可愛らしいのに、やること言うこと男らしい。
「調子狂うなぁ…」
そんな呟きは彼女に届くことはない…
ある日、気がつけばリースの背後にモンスターが忍び寄っていた。彼女は気づいていないようだ。このままだと彼女が怪我をする。俺は自分のポリシーに従い、ダガーを投げた。見事、敵に命中。

そこで初めてリースは状況に気づいたようだ。
「ありがとうございます。…全然気づかなかった」
「いえいえ、どういたしまして」
おっ、いつもと違う反応だ。
「…思っていたんですけど、ホークアイは反応が速いですね。ちゃんと周りを見てる。反応が速いのって戦いには重要なことですよね。」
「え…でもリースだって槍使いがすごいうまいじゃん。一突き一突きが的確で。バランスのとれた戦い方」
すると、リースは嬉しいような驚いたような顔をした。変なことを言っただろうか。
「そんな風に思っていたんですね。てっきり私が女だからってバカにしているのかと思って。だからモンスターも自分で全部倒しているのかと…」
恥ずかしがるように、声の大きさは次第に小さくなっていった。けど、俺にはバッチリ聞こえた。何、リースって天然?今までのは何だったんだろう。
でも、今の言葉を聞いたら、リースも普通の女の子だと思った。少し不器用なだけの。
「怪我なかった?」
「大丈夫です。」
俺はリースの手を取り、先を進む。リースに対する印象が変わり、ぐっと距離が縮んだ。
そして、これからはなるべく二人で協力して敵を倒していこうと思った。




* * *

『azure』の古町あさ子様より、二周年記念小説を頂いて参りました。
恐れ多くも聖剣3のホークリをリクエストさせていただきました!

戦闘を通して歩み寄っていく2人のお話…爽やかな雰囲気で良いですね。
ラブラブなホークリも大好きですが、こういう意識し合う前の話も大好きですv
「この人の事、ちょっと勘違いしてたかも」と、ふとした事から意識し、惹かれ合っていく過程がとても好きです。
きっと2人はこれから励まし励まされ補い合いながらも、少しずつ歩み寄って行き、最高のパートナー同士となっていくんでしょうね。妄想が止まりませんv笑

古町様、とても素敵なホークリありがとうございました。
遅くなりましたが、二周年おめでとうございました!

2010.12

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