救世主のお役目2






※RPGパロ的なファンタジー的なシリーズ
※基本的に会話文のみ
※なので細かい設定は『ドタバタRPGっぽい』の記事を参考に







▼▽▼村外れの教会前


「……神託が下って、いざ救世主って言われてもいまいち実感湧かないな…って、あれ?」

「……オズ!」

「あ、ギル。どうしたの?そんな焦ってこんなとこまで来てさ」

「さっき、神託が下ったってお前の叔父さんが…!」

「ああ、うん。さっき終わった」

「ってことは…」

「みなさんお待ちかねの旅に出ることになりました」

「…そう、か」

「…あんまり驚いてないな。驚かないの?」

「無茶言うな。昔からお前は将来旅に出て世界を救う救世主なんだって聞かされて育ったんだぞ」

「あはは、大層な肩書きだよねえ」

「笑い事じゃない」

「まあ、こうして実際に神託が下ると冗談じゃ済まされない」

「…………………」

「………ギル?」

「……っお前はまだ15歳になったばっかりだっていうのに、どうしてこんな……っ痛い痛い痛い!足を踏むな!」

「なあにギル、オレのことガキって言いたいの?」

「実際子供だろうが!ジャック=ベザリウスが旅立ったのは20歳の時だったんだぞ!?お前はそれより5歳も若いじゃないか!…だから足を踏むなオズ」

「…しょうがないんだよ」

「…え?」

「だって、こういう風になっちゃったんだ。もう『そういうものなんだ』って受け入れなきゃ」

「………オズ、お前…」

「オレのお役目なんだから、さ」

「………………」

「いいじゃん。きっとみんながオレの旅を待ちかねてる。笑顔の下で早く世界を救ってくれって願ってる。だから、早い方がいいんだよ」

「けど……」

「心配性だなギルは。大丈夫だよ、ずっと分かってたことだから覚悟は決まってる。予定より少し早くなっただけ、それだけだ」

「……………お前は、」

「ん?」

「お前は、それでいいのか?」

「……いいよ」

「………っ」



「……とにかく、さ。救世主サマを信じてみなさいって」





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