生徒会長×保険医





(エリオズ/生徒会長×保険医)

会話文のみ







「…なーに勝手に保健室あさってるのかな、エリオット=ナイトレイ君?」

「…げっ……」

「今『げっ』って言ったの聞こえてるから」

「…ちっ、いいだろ別に」

「ちょっとなにその怪我。また喧嘩したの?」

「ちっ、ちっげえよ!そんな馬鹿なことするか!」

「じゃあ何?」

「…こ、転んだ」

「いやそっちの方が馬鹿でしょ」

「…………」

「手当てならオレがしてあげるからそこ、座りなよ」

「……ああ」

「それにしても生徒会長が?喧嘩?へええええ〜担任の先生に教えちゃおっかなあ」

「先公が生徒脅していいのかよ!」

「脅してません。生徒の行いを報告するだけでーす」

「言っておくが、先にやってきたのあいつらだぞ!?」

「分かってるよそれくらい」

「……え?」

「エリオットは自分から暴力なんて振るわないし、意味もなく喧嘩もしない、だろ?」

「…おま、え……」

「お前じゃなくて先生と呼びましょう」

「いてててて!いってえんだよバカ!」

「へえ、エリオット君はもっと痛いのがお好みかあ」

「成人してるくせして大人げねえぞ!」

「それでもどこかの短気バカよりマシだろ」

「それ俺のことか!?」

「それ以外に誰が居るんだよ。こんな……自分の身を守ろうともしないような傷作ってきて」

「……っ」

「お前がさ、家の所為で色々やっかまれたりしてるのは知ってるよ。今回の喧嘩もそうなんだろ?」

「…………」

「でもさ、自分の身ぐらい守ってもいいと思う訳。じゃなきゃ、心配するだろ」

「……誰が」

「リーオとか、他の生徒とか先生。あとエリオットの家族」

「リーオはともかく…他の生徒や教師が心配なんかするかよ」

「あのさあ、お前は結構慕われてることに気付けよ」

「……っはあ!?」

「じゃなきゃ、生徒会長なんてなれる訳ないじゃん」

「…………おまえは…?」

「ん?」

「お前は、心配、してんのか」

「あはは、まさか」

「…っんだとコラ…」

「だってエリオットが負ける訳ないじゃん。怪我しても意地でピンピンしてそうだし」

「……………」

「オレが心配してんのはフィジカルな方じゃなくて、メンタルの方」

「俺は別に弱ってなんか…」

「そうやってすぐに意地張る。少しは頼れよ」

「……なんでお前なんかに」

「保健室は色んな奴が何か傷を抱えて来るトコなんだよ。カウンセラーには及ばないにしても、オレはこれでも大人なんだ。頼られて無下にする程ちっさくない」

「…背はちっせえけどな」

「傷口えぐってやる」

「十分中身ちっせえじゃねえか!」



(お前に頼れば、自分が『子供』であることをむざむざと見せつけられる。)

(それでも、俺はここに来ることをやめられない。)

(お前が気付かない内に、俺はお前を頼ってんだよクソッ!)




─離れた歳の差は、大きい。






***



没ネタ。








back



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -